杜の木漏れ日(福岡造園blog)

秋田県能代市で作庭管理を行う福岡造園のブログです。 日々の仕事や活動等の最新情報を載せていきます。

水仙

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庭は今、水仙が花盛り。

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水仙にはネズミ除けの効果があるそうですが、私はコチラのほうを推薦します。
こう見えて、実はいろんな働きをしてくれるのです。
この間、風呂の湯を出しっぱなしにしていたのを忘れていたら、ニャーと呼びに来てくれました。
何年か前の冬も、夜中に水道が破裂してるのを教えに来てくれたことがありましたね。
まさに、ニャ耳に水の出来事でした。
私は濡れネズミになりましたが、とても助かりました。

どういうわけか、うちの猫は水に敏感なようです。
だから水仙なのかもしれませんね^^。

能代スタイルでいこう

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所用で市役所に行くと、桜が咲いてきていました。
古木の桜は、閉校となった校庭の木々。
それを、建築に取り込んで残したのは素晴らしい発想です。

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用事を済ませて表玄関のほうに行くと、このイチョウ。
何の変哲もない普通のイチョウですが、普通でいさせていることが素晴らしい。

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横から見ると、道路側の枝が短いことに気付きます。
通常、街路樹の下枝は、車道側は4.5mの高さで維持されますが、この通りのイチョウの枝張りは最上部まで短い。
それはなぜかと言うと、能代の伝統行事である「七夕」を通すため。
七夕と街路樹を共生させるための調整がこの姿で、『能代スタイル』とでもいうべき特徴樹形。
七夕は観光ですが、こうしたことも、七夕と併せて街のウリにしていけるのではないかと、能代は伝統文化も緑の文化も大切にする街だというPRになるでしょう。

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同じ木を反対側から見てみます。
この樹形が素晴らしいことの理由はもう一つあり、七夕運行のために、必要最小限の枝しか切っていないということ。
割合にすると、全体の1/4~1/5程度の剪定量でしょう。
剪定の基本は『切る時期、切る位置、切る量』と言われますが、切る量を加減し、樹木が養分を作れる枝を確保しているから樹形が乱れない。
だからイチョウがイチョウらしく、自然な姿をしているのです。

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これは、並びにあるイチョウ。
上の木は、一度ブツ切りされてから伸びたものですが、この木は切られていないので、本物の『自然樹形』。
樹木は生きるために必要な枝しか出さないので、このような自然状態の木を見ると、その木に必要な枝の割合やバランスがわかります。

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こちらは、自然形のイチョウの反対側にあるイチョウ。
枝先は残していますが、枝数が少ないので樹形が硬く見えます。
向かいに「自然樹形」の良い手本があるので、もう少し枝を残してあげたいところです。

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これは、上の木の9年前の姿。
適度に残された枝が適度な木蔭を作っていますが、それを想定して剪定されています。
10年前に能代がブツ切りを改めた理由は、『景観や樹木の生理に配慮する』ため。
能代の街路樹はもともと、大火の対策とともに、『緑陰の街並み』を目指して植えられたものですが、新たな十年に向かう今年は初心に返り、『木蔭のできる自然樹形』を目指していければいいですね。
それが、『能代スタイル』になっていけば素晴らしい。

植栽時の土壌改良と通気改善

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社屋の植栽スペースにヤブツバキを植えました。
板塀に緑の葉が映えて、とてもいい感じです。
足元に多少の縁石を付けてありますが、これは深さ60~100㎝の土中から出たもの。
ツバキの根は30㎝ほどなので、その3倍の土を掘り返したということです。

植栽の依頼をいただいた時は、お好みの樹種を聞くとともに、土の状態も伺います。
そのうえで、選ばれた木が現場の土壌条件で健全に育てるかどうかを調べます。
今回は、黒土の下に砕石があるとのこと。
黒土や砕石はどの程度入っていて、その下層はどうなっているのか、根が深層まで伸びていける状態にあるのかなどを調べることにしました。

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一か所掘ってみると、黒土表土30㎝の下に砕石の層が30㎝、その下層は1.5m以上の深さまで山砂でした。
幸い、砕石は転圧されていないので、土壌改良剤を混合すれば、今後の硬化も防げるでしょう。

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2か所目。
こちらは砕石の下層が玉石混じりの礫層で少し硬く、それが深さ1mで粘土質へと変わり、そこから20㎝ほど下がると、粘土は青灰色になっています(グライ化)。

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3か所目は、礫層にセメントが混入されているようで、硬くて点掘りは無理。
広く掘り下げると、1mほどでグライ土壌となっていました。

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こちらは地中の予想図。
グライ化は深い所で起こっていますが、それ以前に、砕石下の土層が硬すぎるため、現状では、根は黒土部分の浅い層に分布するということになるでしょう。
植栽スペースがコンクリートなどで仕切られている場合は、浅い層に張り巡らされた根が行き場をなくし、根詰まりを起こす時もあります(砕石上に植えられた木が根詰まりした例)。
この状態で植栽するには、根の浅い低木や草花を植えて楽しむということになるでしょうか。

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ということで、3地点の土質調査をもとに、このような解決策(土壌改良と通気改善)を実施することになりました。

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酸欠改善には酸素供給。
ポイントとして掘った穴に酸素管と木炭を埋設して、地下や根鉢に酸素を送り込みます。

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酸素管を埋設したら、黒土、砕石、玉石、粘土の既存土を混合、土壌改良材(バーク堆肥と燻炭)を漉きこんで通気を良くし、これを根鉢の床土にしていきます。

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作業は、黒土を一度外に出して行っていますが、この土の量で2トン車2台分はあるでしょうか。
そして、掘り起こして耕運した、黒土下の既存土がさらに2台分。
今回の仕事の中で、木を植えるのは全体作業の一割、9割は、計4台分の土のマッサージです。
見えない部分に掛ける9割の手間暇が、樹木を健康にするための根幹といえるでしょう。

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ということで、植栽完了。
なかなか骨の折れる作業ですが、筋肉痛ですんだのは幸いです。
大変なことは、はじめにやっておいたほうが楽。
後で苦労するよりは最初に苦労しておくほうが人も木も楽できます。

何事も最初が肝心ですが、こうした調査を造園設計の時にやっておくことが大切で、これはある意味、デザインよりも大事なこと。
さらにいえば、建築設計の段階から地中の環境づくりを考えておくと、効率的で経済的な改良ができるでしょう。
そうなれば、植木屋の筋肉痛も少しは減るでしょうか^^。

参考 土の手入れ

街路樹の異常点検(のしろクリーンパートナー)

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昨年、「公共樹木に関する諸々の提案 」という記事の中で、役目を終えた街路樹の支柱撤去について書いていました。
人員削減などで多忙を極める職員が広い街中を点検して歩くのは時間も手間も掛かるため、街路樹の剪定など、道路工事の際に区間の支柱を外していけば、予算を掛けずに確実に対処できるのではないかという提案です。

これについては、『2017年度中に全路線の該当支柱を撤去する』との答えをいただいていましたが、年度も終わろうとしていた3月下旬、今冬に剪定された街路樹の区間でさえも対処された様子が見られなかったため、市に進捗状況の確認をしました。
原因としては、具体的な場所が把握できていないことや、年度が替って引き継ぎがなされていないことが考えられますが、何度も同じ提案をするのは時間の無駄。

速攻で解決するための策として、私がクリーンパートナーとしてボランティアで外すことと、市に撤去を行う意思があるのであれば、支柱がある場所に案内すると申し出、その足で、担当課の方々と点検に向かうことになりました。

支柱 (1) 支柱 (3) 支柱 (4)支柱 (5) 

担当課の方々も、写真を撮って状況確認をされていました。
今回は、年度末ではなく年度始まり。
それも、実際に現場を見てもらえたので、今度は対処されるでしょう。

支柱

そして、併せて見てもらったのが、街路樹に巻かれているカラーテープ。
これは、冬季剪定を行う時に付ける目印ですが、剪定の検査が終わればこれも不要。
昨年のテープが残っている所もあるので、外し忘れには気を付けたいところです。

ぶつ切り (1) ぶつ切り (2) ぶつ切り (3)

2017年度には、前年に提案していたCODIT理論による剪定の施行が決まり、街路樹剪定にも活かされることになりましたが、ブツ切りとなっている所はまだあり、担当課が現場に立ち会うなどして、徹底できるようにしていかなればなりません。

その他 (3) その他 (2)

その他、異常傾倒の見られる木や、環状剥皮が行われている木もあり、樹木医などの専門家による、早急な調査や対処が必要だとお話ししました。

1時間程度の点検でしたが、それほど時間のかかることではないので、こうした点検を、市民ボランティアに言われて行うのではなく、担当課と委託を受ける業者とで日常的に行っていくことが大事だといえるでしょう。

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この図は、2016年の街路樹サミット基調講演で見ていただいたものですが、図にある支柱の撤去は、2009年時の街路樹剪定の際に、工事区間の支柱を私が外した時のものです。
市にはこの時から提案していましたが、あれから10年。
正直なところ、関係方々にはもっと景観意識を高めて業務に臨んでいただきたいものです。
今年こそは、全路線で対処されることを願っています。

うらうらと

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竹藪で垣根の支度。
薄暗いけれど、わずかに降りる木漏れ日が温かかい。

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竹を探してさまようと、こんな所に「静かなる瞳」。
本当に、静かにたたずんでいるから気づかなかった。
キクザキイチゲは、うらうらとした、春の日差しが似合う花。