街路樹サミットin大阪に参加して 上

サミット寄稿 地元紙 (1) サミット寄稿 地元紙 (2)(クリックで拡大)


なかなか「街路樹サミットin大阪」のことを書けすにいましたが、ようやく頭の整理がついて地元紙に寄稿。
今朝の新聞に掲載されましたので、ご紹介いたします。

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『街路樹サミットin大阪に参加して 上』

◇能代から繋がる街路樹の輪

1月7日、立命館大学いばらきキャンパス(大阪府茨木市)で開催された、「第二回 街路樹サミットin大阪」に参加してきました。昨年、「2016街路樹サミットin立川」として行われた東京会議は、兵庫県の造園家、木下裕文さんご夫妻の発声によって関西の地へ。大阪、京都、奈良、兵庫など、県を超えて集まった作庭家やデザイナー、樹木医等の方々により、実行委員会が立ち上がりました。皆さん、20~40代の気骨ある造園人。今の日本に、緑の将来を真剣に考える人たちがいるのは大きな希望です。7年前に開催した「日本の街路樹を考える~小さな街路樹サミットin能代」をここまで繋げていただいたことも有り難く、感謝の思いで会場に入りました。
この日は、造園関係者をはじめ、行政、議会、環境団体、専門大学の学生、一般市民など、多種多様な方々が参集。北海道や九州からの参加もあるなど、会場は、定員を超える300名の人たちで埋め尽くされました。オープニングでは、けやき公園や二ツ井小学校前の並木も映し出されるなど、全国の皆さんに能代の風景を見ていただけたのも嬉しいことです。

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(会場となった立命館大学のキャンパス)
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(街路樹サミットの案内板)
上②
(定員をはるかに上回る、300人の参加者が駆け付けた会場  ※パネル討議で同席した三浦夕昇君のお父さんから写真提供いただきました)

◇日本の現状と能代の評価

伐採やブツ切りが相次ぐわが国の現状にあって、『景観や樹木の生理に配慮する』とした能代の自然樹形への転換は、全国に希望を与える英断として評価を受けています。市外に出れば、県内の街路樹もブツ切りだらけ。仙台や横浜、東京の江戸川区等、緑が美しい全国の都市は一握りで、そうした自治体のほとんどは専門職員を置いています。それを置かない小さな地方都市の能代が「自然樹形」の方針を打ち出しているのは凄いことで、樹齢300年超の大木並木が街の中心部に存在し、それが市民の思いで残されたというエピソードも含めて、能代の街路樹は今、全国から注目を集めています。
そうした能代がどのようにして自然樹形に変わったのか、街の木はどうすれば良くなれるのか。そんなリクエストにお応えして、今サミットの基調講演を務めてきました。テーマは、「街路樹のためにできること」。一市民として、一造園人として、私たちに何ができるのだろう。そんなことを、会場の皆さんとともに探っていきました。

上③
(講演のタイトル)
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(講演風景)

◇できることを探す

街路樹が悲惨な姿になることには必ず原因があります。できることを探すには、まず、そこにどんな問題があるのかを洗い出すことが必要。ちょっと挙げてみると、落ち葉の苦情、電線や民家への支障、病虫害、行政の知識不足、業者の技術不足、市民の無関心、街路樹への固定観念、役割や由来が知られていない、予算が無い、剪定の仕様書が無い、管理のビジョンが無い、担当課が現場に立ち会わない、緑の条例や審議会が無い、引継ぎが悪い、行政間の連携不足、など、思い付くだけでもこんなに出てきます。問題ばかりで本当に良くなれるのかと心配になりますが、逆に言うと、原因を把握していないから良くなれない。原因が明確になったら、今度は対処法を考える。そして、そのひとつひとつをクリアしていけば問題は減り、やがて街路樹は良くなります。

samitttooosaka.jpgsamitttooosaka (2) (街路樹の問題を洗い出し、解決方法を考える)


◇問題は街の価値に変わる

ここで挙げた問題のひとつひとつは、解決すれば「価値」に変わります。落ち葉掃除を助け合う街は共助の精神が根付いているということで、緑の美しい街はそこに暮らす市民の心が美しいということ。美しい緑を維持する体制があるということは、行政や議会、管理に携わる人たちの意識が高いということで、これらはすべて、日本に誇れる『街の価値』に成り得ます。
価値と問題は、オセロの駒のように表裏一体。問題に気付くということは緑の価値に「気付く」ということで、気付けば「守ろう」とする意識が働き、それを「活かそう」と思うのが自然。ここまで来ると、あれ、このキーワード、どこかで聞いたことがある!と思われる方もいるでしょう。実はこの3つは、能代市緑の基本計画の基本理念、『緑の価値に気付き、守り、活かす』です。
能代市の緑の理念は本当に良くできていて、「気付く」ため、「守る」ため、「活かす」ため、市民として何をなすべきかの道標になります。街路樹の置かれている状況は、その街その通りでみな違う。こうした緑の計画は全国の自治体で定めているので、まず自分の街の方針を知り、そこに問題を重ね合わせていけば、やるべきことが見えてくるのかなと思います。

上④(問題と価値は表裏)

「上の部」終わり 

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バードストップ

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この間、『アイストップ』の話をしました。
アイストップは、一般的に、洋庭では噴水や彫刻、和庭では灯ろうや石塔などの添景物がそうした役目を果たすようです。
庭であれば、園路を歩いていて目が止まるもの、視線の先にあって目を引き付けるものであれば、素材に限りはないと解釈していますが、そういう意味では、この庭のように、小道に置かれた景石もまた、アイストップと言えるでしょう。

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この石は、よく見ると上部が平たくなっています。
このぐらいの高さで天平な形をしていると、思わず腰かけてみたくなる。
そう、山道の峠にあるこの石は、庭のアイストップであるとともに、人が歩みを止めて休むためのベンチなのでした。

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先日寄らせていただいた時の、この庭の雪景色。
こちらの庭は、野鳥を呼ぶための庭ですが、この日も次々と小鳥が遊びに来ていました。

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作庭当初は枝が細くて、せっかく鳥たちが来ても止まれなかったということがありました。
今は木々も丈夫になり、シジュウカラやヒヨドリなども遊びに来るそうです。

アイストップの庭は、止まり木の庭。
バードストップの庭でもあるのでした。

アイストップ

アイストップ

アイストップ (1)

市内で見つけた『アイストップ』二つ。
能代市在住の方なら、おそらく見かけたことがあると思います。

ちなみに「アイストップ(eyestop)」は、造園用語。
「人の注意を向けるように意識的に置かれたもの」という意味です。

意識的でなくても、偶然そうなったり、後からそうなるということもある。
この二つは、そんな広義のアイストップと言えるでしょう。

能代市緑の基本計画の理念は、「緑の価値に気付き、守り、活かす」。
こんなアイストップもまた、緑の価値になるのかなと思います。

公共樹木に関する諸々の提案

のしろクリーンパートナー」の役割には、美化活動を行う公共施設(道路や公園も含む)で異常を発見した時などの情報提供も含まれています。

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杜守Clubでは、活動区域を「市内全域街路樹や公園、施設の樹木」としていますが、暮れに公園で見かけた柳の木のブツ切りや、景観や樹木の成長の妨げとなる、不要となった街路樹の支柱、数年前から民家に障っている街路樹の枝などについてお知らせしていたところ、この度、担当課からのお返事があり、

公園の剪定はあまり良い状態ではなく、今後、同様の事が起こらないように、剪定方法の研修の場を持ちたい。
支柱の撤去は、全路線について、必要な箇所の撤去を行う。
件の街路樹については今年度中に剪定を行う。
との回答をいただきました。

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(「2016街路樹サミットin立川」の基調講演で紹介した、街並み景観を保全するための活動です)


支柱については、これまでも、公園支柱の解体撤去のボランティアをしたり、地元紙緑の基本計画のパブリックコメントで提言するなどしてきましたが、ここにきて、ようやく能代にもそうした意識が持たれてきたことを感じ、とても嬉しく思います。

前向きなお知らせをいただき、とても有り難く思いました。

記録的

天気予報に踊る、「記録的な大雪」の文字。
この、『記録的』というフレーズ、何か、一年中使われている気がしますね。
記録の更新はオリンピックぐらいにしてほしいと思いつつ、30~50㎝のドカ雪でしかも湿雪だと聞くと、何もしないわけにはいきません。

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ということで、気になっていた、畑の孟宗竹を芯止め。
若竹は軟らかいので、濡雪が枝葉に載ると、重みで道路に倒れるのです。
でも、元から伐ると、今度は奥の方の若竹が倒れてくるというエンドレス。
なので、その倒竹をブロックするために、枝葉のある上部だけを切り、下部を残しておきます。

ぬかりなくやりたいところですが、雪の上を歩くと、ぬかることぬかること。
踏み固めながら歩いても、時々ズボッと足が落ちる。
あ~あと天を仰ぐと、大雪予報なのに空が青いという。

このまま降らないと、身体も楽できて幸せだなあ。
「記録的な大雪」ならぬ、『気楽的な大幸』になってほしいものです。