雪透かしのメカニズム
雪載りを抑えるために透かしていたヒマラヤスギが、風の力を借りて雪を振るい落としています。正確には、着雪した枝が重みで下がったところに風が吹いて、雪が振るい落とされている状態です。ヒマラヤスギの向こうには杉木立がありますが、雪はわずかしか載っていません。これは、人の手が入っていない自然形の樹木には雪を受け流せる機能が備わっているということですが、そうした木を人間が整形に仕立てる過程で雪を受け流す力が...
サツキの雪囲い~15年目の改良~
10㎡程のサツキの雪囲い(写真は2013年)。冬期はアプローチの雪寄せ場になるのでヨシズなどでは弱く、毎年、板で頑丈に棚を作っていました。杭の上にタルキの胴縁を打ち、板を並べて釘で固定、さらに縄で押し縁を掛けるという竹垣のような作業。板は縄だけでも固定でき、解体も切るだけなので作業が早い反面、縄固定だけだと結束に時間が掛かる。その時間を短縮するために釘は板の両端と真ん中だけに打ち、縄も5枚間隔程度で結ぶ...
ヒマラヤの透かしその後
6月に透かしていたヒマラヤスギの点検に。枝の間引きとともに樹冠の縮小も行いましたが、これは、勢い良く外に向かう長く強い枝と、それまであまり日照を受けられなかった内部の短い枝を交代させたということで、夏場の日焼けが心配でした。樹木の葉にとって十分な日照は必要ですが、あまり日が当たってこなかった枝葉に急激に強い日差しが当たることは逆に害になります。大きな剪定を行う時はそのバランスが難しく、なるべく早い...
雑木の小庭7年目の手入れ
施設の玄関前の小スペース。7年前に、敷地の裏山から山の木を移植した庭です。もともとここにはナナカマドが植わっていて、水はけの悪さから枯れてしまいました。今の庭は、植え替えの時に土壌改良を行って高植えしたこともあり、生育はおおむね良好。ただ、その後に生えてきたネムノキやススキが繁茂して、木々が窮屈な思いをしています。剪定後。ネムノキは木々に触らない裏側を背景として残し、林床のスギナを取り除きました。...
ヒマラヤスギの透かし(高垣)
樹高8mほどのヒマラヤスギの生垣。冬期、天端に積もった雪の塊が通路にドサッと落ちてくるとのことで、雪乗りを少なくするために、枝を透かすことにしました。内部は枝が混み合い、枯れ枝がたくさん付いています。こんなに混んでいると、木の中に登っていけません。まずは低い脚立で木の中に潜り込み、組み合った枝を解きつつ、枯れ枝を外しつつ、徐々にてっぺんを目指します。1日で軽トラック山盛り満載の枝が2台出るので、それを...
『待つ』という手入れ
石面に映る木漏れ日。作庭から1年、まだまだ木蔭というには寂しくて、木々の成長を見守っている段階です。新装したサイトに、「庭を育み守る」という記事がありますが、その中で、 『手入れには切らずに成長を「見守る」という方法もあり、「引く(切る)」ばかりではなく「足す(伸ばす)」ことも手入れのうち』と書きました。『樹木が空間を分け合えるように調整してあげるのが手入れ』とも書いていますが、空間が有り余ってい...