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杜の木漏れ日(福岡造園blog)

石畳の思い出

松の木の上から見る石畳。男鹿寒風石をランダムに畳んだ玄関前の通路は、長さが8m。幅は広い所で1.5mほどもあり、総面積では10㎡以上ある。石張りは手間が掛かるから、なかなかこれほどの面積をやらせてもらえる機会は少ない。でも、人を迎える玄関の道がコンクリートではあまりにも無粋。庭の中の道にしたいと思って提案をした。薄い鉄平石では石の質感が出ないので、大判小判とも、10cm以上の厚みのある石を使ってい...

献杯

緑の役割や楽しさを知ってもらいたいと、何度か能代で展示を開いたりした。そんな中で、二ツ井のイベント会場からお誘いを受けて開いたのが、「緑の景観写真展 街中の緑を楽しむ」。思い思いに見てくださればと、展示には常駐していなかったが、中には会って話を聞きたいという方もおられて、関心を持つ方の存在をとてもありがたく感じた。そんな中で記憶に残っているのが、緑が好きで、ご自分でもいろんな活動や提言をされてきた...

枝垂れてこその柳

先日、市内で仕事をした時のこと。完了のお声掛けをすると、ありがたいことにお茶のお誘いをいただいた。ちょうどご友人がいらしているとのことで、その方を私に会わせたいとのことだった。ご馳走になりつつお話を伺うと、以前にもお会いしたことがあるらしい。失礼ながら思い出せずにいると、なんでも、官庁街で私と話をしたことがあり、能代の街路樹の変遷に感動されたという。その後も、時々書いていた地元紙への寄稿を目にされ...

まで

昨夜のTVで、オリジナルの薪ストーブを製作する地元の鍛冶屋さんが紹介されていた。1年に30個しかできないという手作りストーブ、製作に時間が掛かるのは『までな仕事』をしているからだと言う。までにつくるからこそ、丈夫で長持ちのする良品ができるのだろう。『まで』とは秋田弁で『丁寧』という意味だが、職人の仕事はやはりこれに尽きる。注文いただいた方のために、丹念に、丁寧に、精魂込めてつくること。この当たり前の...

缶詰め

正月といえば、自分の中では『街路樹サミット』。第一回目が1月9日、二回目が1月7日と、二年続けて『街路樹サミット』で年が始まるという感じだった。どんなことでも、一回目は初めてのことなので大変。しかも、いきなり東京という大舞台で講演をする。何をどう話すか、どんな構成にするか、招かれてやる以上は、より完成度の高いものを提供しなければと、無い頭で練りに練る。二回目は場所を移して大阪。東京での話を大阪でも...

打ち習う

書店で見付けた、魁新報コラム(北斗星)の書き写しノート。ありがたいことに、今夏はこのコラムに街路樹が登場、私のことも少しご紹介いただいた。さすがは全県紙の1面、いろんな方から声が届いて、反響の大きさに驚いた。こんなことがあると、自分も記者になったつもりで書いてみたくなる。そう思うとそんな機会が訪れるもので、直後に書いたのが、お寺の会報と魁紙への寄稿。簡潔に、わかりやすく、リズミカルに。何度も直しなが...

これでいいのだ

テレビアニメでは、植木職人として登場する天才バカボンのパパ。この『バカボン」は英語の『バガボンド(Vagabond)』から来ているらしく、「放浪者」とか「さすらう人」という意味がある。原作でのパパは定職を持っていないようだから、さながら、「自由人」ということになるのか。そのバカボンパパの口癖で有名なのが、「これでいいのだ~」。テレビの主題歌では、『西から上ったお日様が東へ沈む~』に続いて「これでいいのだ~...

できない仕事

ポリシーに合わない仕事はしない。などと言うと、とてもわがままに聞こえるかもしれないが、信念に反する仕事をすることほど嫌なものはなく、それを行うことは信用を落とすことにも直結する。仕事において、信用は最も大切なこと。植木屋として、ここは引けない部分というものもあるから、そんな意味では、仕事を選ばせていただいている。たとえば、どんな仕事が信念に反するかといえば、樹木の生理や健全成長を考えない植栽や手入...

おおらか

下見で訪れた時に見つけた清水。水音に誘われて行ってみると、こんな素敵な所があった。清水は、集落の中を、右に左に蛇行する。家々の裏庭に面したこの流れは、昔から、この水をくんだり野菜を洗ったりと、生活の中で使われてきたのだろう。あちらへこちらへと曲がりながら、山の恩恵をみんなにおすそ分けしている。清水だから冷たいけど、そんな温かみを感じる流れだった。この清水は家々の境界になっているようだが、こんな、ゆ...

朝仕事に行こうとしたら、土砂崩れで通行止め。しかたなく迂回すると、造成中の田んぼに仮盛土がたくさんあった。雨なのに、崩れずにいる。土には安定したい角度、落ち着ける角度があって、それを「安息角」と言う。安息角は、土や砂、石の山など、その傾斜を形作る個体で違う。個体の質が細かでやわらかい山は崩れやすく、硬くて不整形な個体の重なりは、互いが組み合うので強い。個体同士のつながりが強ければ、全体も強いという...

木「蔭」雑考

     (東京国際フォーラムの木蔭)いまさらながら、「木蔭」という言葉を辞書引きしてみると、たいがいの辞書には「木のかげ。樹木やその枝葉が日光をさえぎっ ている所。」などと出てくる。そして、「木蔭」の「蔭」の字は、「蔭」ではなく『陰』になっている。拙ブログはこの間まで、「紅の葉の木蔭」というタイトルだったけれど、「陰」ではなく『蔭』を使っていた。これは、植物が作る「かげ」にはやはり、「草冠」が付く...

人生の専門書

読書の習慣はないけれど、一応、本棚はある。何が置いてあるのかといえば、ほとんどが専門書。そういえば、引っ越しの荷物からまだ出していないものもあったなあと、段ボール箱を開けてみた。箱の中にはやはり、専門書がいっぱい。取り出して本棚に並べていくと、自分で詰めたはずなのに、見覚えのない本が一冊紛れている。この見覚えのない本は、「ことわざ辞典」だった。図鑑なら時々見るが、辞典はしばらく手にしたことが無い。...

植木屋の道

むかしむかしの話。20代の頃、役所の打ち合わせで現場を見に行った。ここは芝生にすると言われて見た場所は、排水不良で水浸しになる所だった。「この状態では芝を張っても良くなりません。」と言うと、「(業者は役所の)言うことを聞いていればいいんだ」的な言葉が返ってきた。言うことを聞いて枯らせば、それは業者の責任になり、信用を落とすことに繋がる。その前に、良くならないとわかっていることに無駄なお金を掛けること...

匿名で書くということ

時々、地元紙の投稿欄を活用して、緑のあり方についての意見や提案を行うことがあります。(例1 例2 例3 例4 例5 例6)改善の提案をする時はなぜ今のやり方ではいけないのかの理由を述べて代案を示す必要があり、その過程として現状否定をしなければならない時もありますが、そうした意見性の強い文章を書く時は、自分の書いたものに対する責任と覚悟が必要です。新聞投稿は匿名掲載も可能ですが、責任の所在を明確にし...

根っこ

暮れに、秋田市まで出かけた時のこと。待ち時間を利用して、「県民会館のけやき並木」を見てきた。これは大きい。お堀の下から見上げたことはあるけれど、土手に登って見たのは初めて。樹齢300年超、秋田市の天然記念物第一号だそうだ。ここから見下ろすと、お堀の向かいには県立美術館。せっかくなので、話題の美術展も覗いてきた。床に、小さな粘土を並べて描かれた作品、これはいったいなんだろう?丹念に、丁寧につくり上げ...

おたがいさまとおかげさま

なかなか雪の積もらない冬。それでも冬が来ないということはなくて、昨日は久しぶりに屋根を滑り落ちる雪の音で目が覚めた。この目覚ましが、除雪車の機械音になると、本当の冬。大きな機械で払われた雪は、家々の前に山のように連なる。大急ぎで起きて、自分の家の前の雪を寄せて、ついでに、両隣やお向さんの雪も少し寄せる。寝坊した時などは、ご近所さんが自分の家の前の雪を寄せてくれている時もあるから、先に起きた時は、そ...

つまづく石にも必要がある

「つまづく石にも『必要』がある。」知人から教えていただいた言葉ですが、深い言葉だなあと思いました。道を歩いていて小石につまづき、転んでけがをすることがある。 怪我をして病院に行ったら、転んだのは運が悪かったのではなく、身体を支えきれないほど体調が悪かったことに気付く。忙しくて休んでいられないんだけど、仕事をすればするほど身体は悪くなる。 観念して休むと、身体が再生し、気が満ちてくる。 何もしないこと...

木を植える者の責務

必要として植えられた木が切られてしまうこと。 意味や役割を持って植えられた木たちが、いつのまにかその存在さえも忘れられ、切られてしまう。木の存在を意識するのが、落ち葉や虫が付いた時だけというのも悲しい。 葉が落ちるのは、木のせいなのか。 虫が付くのも、木のせいなのか。 木は、自分では動けない。 木は、痛くても、声をあげることもできない。そんな木を植えたのは人間。そんな人間の都合で、木が切られていく。住...

緑の提案をしよう!

植物の研究で名高い工藤茂美先生の著書に、「五能線沿線と白神山地の植物(秋田魁新報社刊)」という本がある。ありがたいことに、昨日伺ったお施主さんから、進呈いただいた。白神山地が世界遺産に登録されたのは平成5年で、昨年がその20周年の年。白神山地を縦断する青秋林道の建設が始まったのが昭和57年。その後に反対運動が起こり、中止されたのが平成2年のこと。この本は昭和62年の発行だから、そんな最中に書かれた本とい...

書く者の悩み

植木屋が持つのは鋏やスコップだけれど、人並みにペンも持つ。現場で仕事をしてナンボの職人だけれど、時には思いの丈を語る。人前で話すのは苦手なので、必然、書くことの方が多くなる。自分の仕事は、庭をつくり、庭を守ることだ。庭の素材は、草木や石、土、水などの自然素材。その自然素材はどこにあるのかというと、山や川。だから自然に、山や川を見、環境のことにも頭がいく。植木屋の習性で、街なかを歩けば、庭の木や公園...