1本の木を丁寧に植える
白壁に映える株立の緑。この間、岩手から仕入れてきたミツバツツジが植わりました。樹高は2mほどですが、成長しても3m程度、植桝があまり広くないので、大きくならない樹種を選びました。寒さや雪にも強く、春一番に薄紫の花を咲かせるこの木は、樹形もやわらかで紅葉もきれい。無理に剪定しなければ、いつまでも自然な姿を楽しめるでしょう。気候や空間の条件が多いほど、ドンピシャの木を選ばなければなりません。それがシン...
ほのぼのと、やさしく、あたたかく
住む人に寄り添い、土地に寄り添い、木草に寄り添う。技術を見せるのではなく、そこに必要とされるものをつくる。のどかでおおらかで、シンプル。ほのぼのとしてやさしくて、あたたかく。そんな庭をつくれる人に、私もなりたい。若い頃に、そう思わせてくれた、ありがたい庭(本)。...
「木の側に立つ」ということ
先日、地元紙に『冬だから行う木の剪定』という広告を出しました。ありがたいことにお問い合わせをいただいて、お庭の下見に。「ここで切ってあげれば切り口が早くふさがって枝も腐りません」 「お隣に出た枝を短くする分、空いた空間に伸ばしてあげれば木も楽できます」 「木同士が『おしくらまんじゅう』をしているので、少し息継ぎをさせてあげましょう」 「この木は気が弱いので、強い木に空間を譲ってもらいましょう」 「この...
庭づくりで大切にしていること
時々、なぜ自分はこの仕事をしているのか、自分の信条は何か、何を大切に庭をつくるのかを考えます。庭をつくらせていただく時に大切にしていること。「繋ぐ」ことと「必然性」、「合わせる」こと、「活かす」こと、そして、「とらわれない」こと。「繋ぐ」。素材を繋ぐ。造作を繋ぐ。木々を繋ぐ。造作と木々を繋ぐ。家と庭を繋ぐ。内と外を繋ぐ。景色を繋ぐ。景色と景色を繋ぐ。人と自然を繋ぐ。街と自然、庭と人を繋ぐ。一番大切...