杜の木漏れ日

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ナナカマドのカーテン

暑いですね。
北国秋田でも、連日35℃を超える日々。
外仕事は大変ですが、身体を休めつつも仕事は休まず、お盆前の手入れに駆け回っています。

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そんな中、今日はナナカマドの剪定。
窓の目隠しとして植えた2本のナナカマド、植栽から15年ほど経ち、樹高も倍以上になりました。
目隠しなので、枝葉をあまり薄くせず、それでいて、内部に風が通るように透かしていきます。

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横から見たところです。
建物から隣地境界までは1.5mほど。
奥行があまり無いので、越境しないよう、建物に障らないようにしながら、適度に透かしていきます。

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植栽時、ナナカマドは1階の窓が隠れる程度の高さでした(緑の〇)。
それが今では、二階の窓の目隠しにもなっています(赤い〇)。
前後には制限がありますが、上空には制限が無い。
前後の枝を剪定する分、上空へと枝を伸ばしていきます。

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1枚目の写真をワイドにしてみます。
1階の窓は二つありますが、それが隠れるぐらいに横幅も出てきました。

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通常、障害物のない所では、樹木は左右前後に均等に枝を張ります。
そうしたことから、庭木や街路樹、公園樹なども、枝張りを揃えた樹形になることが一般的ですが、そうでなければならないということもありません。
ここでは前後に明確な制限があるので、それをクリアしつつ、いかにナナカマドの自然さを保ち、目隠しの機能を持たせるか。
そのためには、一律に剪定せずに、切るべき所を切り、伸ばすべき所を伸ばす。
前後を切り詰める分、支障の無い上空や横方向の枝は伸ばせるだけ伸ばし、枝量を確保することで、樹木の光合成量を担保してあげます。

また、上空に枝葉が繁茂すると、日光が下部に届きにくくなり、下枝が枯れていきます。
そうなると、1階の窓付近に枝が無くなるため、目隠しの役目を果たせなくなる。
目隠しできる枝葉に光を届けるためにも、適度な枝抜きで、内部に空間を作ってあげることも必要になってきます。

15年間、そうしたことを考えつつ、毎年この時期に手を入れてきました。
横から見るとほっそりしていながら、正面から見ると、扇形の緑のカーテンになる。
庭の中で樹木に与えられた役目と、樹木の自然性を活かすこと。
この二つを無理なく両立させようとしたら、自然とこのような樹形になってきました。

緑のカーテンとなったこのナナカマドたち。
こうした樹形もまた、『片枝樹形』など、制限のある場所でいかに自然樹形を維持するかという、街路樹の姿から学んできたものです。
庭も街路樹も公園も、自然界の木々も同じ。
樹木は、何らかの制約がある所で生きているので、樹木がその環境に適応していけるような手助けをしてあげるのが「手入れ」。
そんなことを、あらためて考えることができた剪定でした。

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