透かしの手加減~シダレザクラの夏季剪定~

お盆前の仕事も今日で終了しました。
本当に暑い夏、というのが今夏の印象でしょうか。
夏場の庭仕事は暑さとの闘い。
立っているだけで体力を消耗しますが、そんな時に涼しい木蔭に入ると、心身共に癒されますね。

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ということで今回は,夏に行う落葉樹の剪定をご紹介。
夏場はお祭りやお盆などの人寄せが多いので、庭をきれいにしてお迎えをしたいというのが、おもてなしの心です。
それとともに、お盆中のお休みは、きれいになった庭でゆっくり過ごしたいという思いもあることでしょう。
そうしたことが、お盆前に手入れの集中する理由でもありますが、続いて多いのが、夏は暑苦しいので、樹木もさっぱりさせたいというものです。
暑い夏は、木もさっぱりさせてあげたほうが気持ちが良いように思いますが、ここで考えたいのが、樹木は本当に暑苦しいと思っているのかということ。

樹木の生理から枝葉の必要性を考えてみると、木がなぜ夏に葉を多く茂らせるのかの理由には、夏場の高温で上昇する自身の身体を葉蔭によって冷やすということがあります。
さっぱりさせようと、思い切って太い枝で切るとそこから枯れが入ったり、剪定によって枝葉が極端に少なくなると日が当たり過ぎて、幹焼けや葉焼けをを起こしたりと、樹木が衰弱します。
このように、樹木をさっぱりしてあげたいという思いやりが逆効果になることもあるので、夏場に行う剪定は注意が必要です。

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これは、最近かぶっている麦わら帽子ですが、樹木にとっての枝葉は、帽子と同じく、夏は日よけの役目を果たしています。
人の髪の毛も帽子の役目を果たしますが、夏場は髪の毛でも足りないので帽子をかぶる。
夏に髪の毛を短くすると、見た目も自身も涼しいですが、突然坊主頭になっていきなり炎天下で仕事をしたらどうなるか。
直射で頭皮が焼けて、大変なことになるでしょう。
そんなことを防ぐためにも帽子が必要になりますが、これは、夏に剪定する樹木にも同じことが言えます。

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写真のように、最近の街路樹は夏場でも丸坊主にされますが、樹木の生理や景観面からも、これはやってはいけないことです。
この通りの木々はその後に葉を出したものの、秋には紅葉できず、霜に当たって枯れていきました。
(参考 冬の青葉

樹木は、生きるために必要な葉を出しますが、こうした樹木の生理は、街路樹も庭の木も同じ。
人の暮らしや景観に配慮しながらも、樹木の健康を考えてあげることが大切で、むやみに切ると木の生理が狂い、樹木が傷んでしまいます。
夏場は、樹木が最も光合成を行い、来春に芽吹く力を蓄える時期ですが、樹木を支える根を伸ばす時期でもある。
樹木の生命力が最も活気づき、来季へのエネルギーを作ろうとしている夏だからこそ、この時期の剪定には加減が必要となります。

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ということで、剪定が完了しました。
樹冠(枝葉の輪郭)はそのままに、内部の通風を良くするために、指ぐらいの太さの枝を多少抜いています。
シダレザクラは名の如く枝が垂れるので、周囲の樹木に垂れ下がる枝や、通行支障になる枝も少し切り詰めました。

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剪定後の、路面に降りる葉蔭。
この木蔭を見ると、枝葉の透かし加減がわかりますが、今回の剪定量は、全体の1/5程度といったところです。
木のため人のために木蔭で涼める葉を残しつつ、樹木が支障なく養分生成を行えるように配慮する。
加減することを「手心を加える」と言いますが、そうしたことを意識して、手を入れています。

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「街路樹百選」にも選ばれる、角館の武家屋敷通り。
街路樹として植えられたものではありませんが、庭の木も、道路側にあれば街路樹と同じ役目をします。
道行く人々のためにも、夏場は、快適な木蔭をおすそ分けしてあげたいものですね。

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