杜の木漏れ日

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庭の見守り

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2008年に作庭させていただいた、秋田市の庭です。
周囲の野山に自生する樹種を植えた庭ですが、作庭当時は枝葉も少なく、冬季は寒風の通り道となることから、風の当たる高い位置の枝などが風焼けするなどのこともありました。
雪国で育った自生種は丈夫ですが、同じ県内でも、風向きやその強さ、日照や水はけ等の土壌条件など、育った土地の環境と植えられた土地の環境は違うので、そこに慣れるまでには多少の時間が掛かります。

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8年経った今の姿です。
幹が太くなり、枝葉も増して、木蔭ができるようになってきました。
木々がここに根付き、庭の住人となったように感じます。
沖縄の人が秋田に引っ越すと、寒さや言葉の違いなどで慣れるのに時間が掛かると思いますが、同じ県内での転居でも、その土地に馴染むまでには時間が掛かる。
人に人間関係があるように、木にも木同士の関係があり、その庭で初めて隣同士になった木々が仲良くなるにも時間が掛かります。
環境の変化に慣れるまでには、人も木々も相応の時間が必要ということですね。
そんな時、私たち植木屋にできることは、木々が新たな環境に順応する手助けをしてあげること。
その時々に必要な手助けをしてあげるために、見守り続けてあげることだと思っています。

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ということで、庭の見守りとして、昨年作らせていただいた庭に寄ってみました。
やはり風の影響なのか、枝先に少し枯れが見られます。
コナラは風に強い木ですが、引っ越し1年目なので、まだこの地の環境に慣れていないようです。

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風の他にも、いろんな条件を考えてみます。
昨日はかなりの雨でしたが、試しに土を掘ってみると、20~30㎝下の土が渇いていました。
ここに植えたコナラの根の厚みは50~60㎝はあるので、下部まで水が行き届いていないようです。
このスペースは、良質でやわらかな黒土を盛った所に木を植え、高木の背後には竹筒や土壌浸透材を入れるなど、通気を良くするための処置もしていましたが、浸透性の良い土だったことから、全体的には施していませんでした。
今年の前半は雨の少ない年でしたが、局部を盛土した所は乾燥しやすいということがあるので、土中に水分が足りていなかったのかもしれません。

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ということで、さっそくその改善を図ります。
15か所ほど穴を掘って、土壌改良材を投入。
竹筒はストレートに水や空気を地中に運びますが、ここではゆっくりと浸透してもらいたいので、軽石や炭等の浸透性混合材を入れ、土中の微生物の活動を助けるために、表土にも木炭をすき込んでいきました。

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小さな実生のコナラは、葉が黒ずむなど、すす病の発生も見られました。
枝間の通風が悪かったり、移植後などで樹木がまだ自律的に成長できていない時など、暑い夏などは特に、病害虫が発生しやすくなります。
人と同じで、木も健全な環境で健康状態にあると、身体の抵抗力が強く、病気も跳ね返します。
土中の環境が改善されて根が活性化し、樹勢が回復すれば自然と消えていくでしょう。

すす病は、アブラムシの糞などが原因で起こりますが、アブラムシはテントウ虫が苦手。
薬剤を使うとテントウムシも退治してしまうことになるので、なるべく自然の力で木々が元気になり、この庭が、自然のサイクルで生きていけるようになればと思います。

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ということで、見守りの終了。
枯枝や混んだ枝葉も多少外し、通風の改善も行いました。
やることをやると、心が晴れ晴れとしてきますが、そんなせいなのか、木々も晴れ晴れとしたように見えます^^。

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ふと気づくと、私の作業をずっと見守ってくれている目に気付きました。
庭の見守りに来たら、自分も見守られていた。
まだまだな植木屋ですが、また時々庭を見に来ます。
これからも、どうか見守ってください^^。

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