ケヤキの見守り1 (国道のケヤキ)

01_2016100501271904b.jpg  今冬に強剪定となった国道のケヤキ0_201610051141368f7.jpg その後も見守りを続けてきましたが、写真は9月9日に通りかかった時のもの。 ブツ切りした木は一斉に芽を吹き出させますが、そうした芽が1m以上の枝として急伸長しています。 このような一気に伸びる枝は強度的にもろく、風雨などの外圧で折れてしまうことがあります。 ケヤキは本来、斜め上方に枝を伸ばしますが、こうして出た若枝はシダレ柳のように垂れ下がるので、低い位置から出た枝は歩行支障を起こしやすくなる。 そろそろそんな頃かなと注視していたところ、先月末ごろから枝折れや徒長枝の越境が目立ってきました。 強剪定された木は疲れているので療養期間が必要ですが、市民の安全は、いかなる時でも確保していかなければなりません。 さっそく管轄の事務所にお知らせをして、一緒に現地を確認。 昨日、軽剪定を行ってきました。 01-1.jpg 作業前の仕様確認。 昨秋、二ツ井地区の県道のケヤキ並木でもブツ切りが起こりましたが、街路樹のブツ切りが起こるのは、剪定を発注する道路管理者(国や都道府県、市町村)が、どのような剪定を行うのかという「剪定仕様」や、どのような姿を目指すのかという「景観目標」 、そのためにどのような育成をしていくのかという「管理ビジョン」を持っていない時などに起こります。また、管理者や剪定業者の造園知識や技術が浅い時、樹木剪定に対する固定観念を持ちすぎている時、なぜそこにこの木を植えたのかという「大元」が引き継がれていない時、街路樹の役割や管理方法の市民啓発を行っていない時などに苦情が出ると、その対応として、その場しのぎのブツ切りが行われてしまいます。 ブツ切りをすると、その木が自然樹形に戻るまでには10年かかり、その間、手を入れ続けていかなければならないこと、そこに必要のない予算が掛かっていくこと、それを負担するのは市民県民国民であることに管理者や業者の意識が及べば、ブツ切りなどしないはず。 樹木を自然な姿で街に存在させ、街路樹の役割を果たさせるにはどうしていけばいいのか、ブツ切りが起こる原因を一つ一つクリアしていけばいいだけのことなので、それを行っていく。 まずは、このケヤキがどこまでなら枝を伸ばしてもいいのか、隣地との境界や、車両・歩行者の支障にならない高さ、電線に触らない空間の確保など、樹木の空間制限を確認し、樹形の育成イメージを決定(景観目標と管理ビジョン)、そのために、段階的にどんな手を入れ、今回はどんな仕様で行うのかを決めていきました。 二ツ井地区の県道のケヤキは、管理者と剪定者が現場で打ち合わせを行わず、過去にどんな管理を行ってきたかのデータの確認をしていなかったり、ケヤキ並木が通学路となっていて、夏場の木蔭が児童を日射から守っているという地域の事情を知らなかったことから起こりました。 街路樹の管理者自身が木の下に立ち、樹木やその周囲の状態を肌で感じること、それを行わず、机上で事務的な指示しか出さないことがブツ切りを招くので、それをしっかり行うということが大事。 そんなことをお話しさせていただきながら、作業に入っていきました。 空間制限と仕様 2_20161005012723a10.jpg 剪定前に確認した仕様と、仕様をもとに剪定した姿。 3_20161005012725e86.jpg 4_20161005015823466.jpg 別角度から。 下記は、樹木の状態と作業の様子。 4-1.jpg 5_20161005015826ed5.jpg 6_20161005015827885.jpg 7_20161005015829a33.jpg 7-1.jpg 9_20161005015910a46.jpg 上記の作業は私が行ったため、写真は職員の方に撮っていただきました。 今回は支障対処がメインで、樹形誘導はもう少し木を休めてから。 それでも、支障対策は大切なことで、苦情が出る前に対処すれば、街路樹に対する苦情は出ない。 先手を打つこと、先手先手で、市民の皆さんに樹木の世話を行っている姿を見てもらうことが、街路樹への理解を広めることになります。 9-1.jpg 私が木の上で剪定している時は、職員の方が交通誘導と枝のかたずけ。 歩行者の方に注意を呼びかけ、何をしているのかを聞かれればそれに答え、木の上にいる私に歩行者さんが通ることを伝え、上下左右を見ながら誘導しつつ、枝を拾ってはホウキを動かす。 これは、現場の監督と誘導員と掃除の一人三役で、木の上にいる私よりも疲れること。 黙々と三役をこなされている姿を見て、役人さんもなかなかやるじゃねえか、と、とても頼もしく思いました。 できない人や意識の低い人が何人集まってもなにもできませんが、たった二人でも、できる人ができることをやればできる。 やる気のある人がやる気と責任感でやるからできる。 この作業には最低二人の人員がいる。 どちらが欠けてもできないことなので、職員の方と一緒にできたことがとてもありがたい。 今春、校庭の桜の手入れを保存会の会長さんと二人で行いましたが、今回もまた、そうした協働作業となりました。 DSCN9920.jpg せっかくなので、完了後に一つ提案。 上をやったら今度は下です。 樹木が健全育成できる環境改善無しに、緑の景観の創出はあり得ません。 なぜ樹木が根上がりを起こすのか、それを回避するためにはどうしたらいいのか、そうしたことも、現場で話し合いました。 今回のように、国への働き掛けは初めてですが、市内には市道県道国道があり、それぞれれの管理者が緑を意識し、連携していかなければ街路樹はよくなりません。 能代市には、「緑の価値に気付き、守り、活かす」という緑の理念がある。 この意識を県や国にも広め、それぞれが、意識を持って街の木を見つめるようになれば、ブツ切りは起きません。 そんなことのために、市県国が、互いに連携していこうという意識を持つこと。 1本1本の木を良くしていきながら、一植木屋として、一市民一県民一国民として、市内全域の緑が良くなれるよう、行政間を繋ぐこともしていきたいと思うこの頃です。

0 Comments

Post a comment