杜の木漏れ日

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ヤマザクラの移植

能代市クリーンパートナーとして見守りをしている、二ツ井小学校の校庭樹木。
この間、わが子がこの学び舎を卒業しましたが、校庭の木々もまた、私にとっては子どもたち。
一人立ちできるまでは見守っていきます。
ということで今回は、中庭のヤマザクラを移植しました。

校庭ヤマザクラ移植 1

周囲をコンクリートで囲まれているため、水の逃げ場がなく、一度根腐れで枯れたサクラ。
今の木は2代目ですが、これまで、高植えや土壌改良、竹筒による通気改善でしのいできたものの、この木が長くここで成長していくためには、それも一時的な対処。
現状では大規模な排水改善をすることが困難なため、同樹種を複数植栽している箇所への移動を提案、今回行うこととなりました。

校庭ヤマザクラ移植 3

掘ってみると、通気や土壌改良によって側根は良好。
しかし、少し掘ると水が湧いてくるため、根鉢底部にはほとんど発根が見られない状態でした。

移植時は通常、運びやすい大きさにするために根切りしたり、根を切った分の枝を剪定したりして、養水分の受給バランスを取りますが、根を切らなければ枝を切る必要もない。
環境が変わり、身を切られれば木も弱る。
樹木の元気の元は、自身の葉が作る養分。
そんな枝葉を極力残してあげるために、根の土は落としても根は切らない。
そんなやり方で、丁寧に掘り上げています。

校庭ヤマザクラ移植 4

が、土をかなり落としても、一人では持てない重さ。
持てなければ運搬用の一輪車にも乗せられない。
そこで、雪国ならではのこんな方法。
スノーダンプを根の下に潜り込ませて、グラススキーならぬグラスそり。
これで、芝生の上をスイスイと運んでいきます。

校庭ヤマザクラ移植 5

でも芝生の先は、50mの舗装路。
ということで今度は、薄い台車をスノーダンプの下に潜らせて運搬。

校庭ヤマザクラ移植 6

目的地到着。
ここで台車を切り離して、グラスそりで植え穴まで。

校庭ヤマザクラ移植 7

根廻りには、既存土にバーク堆肥と燻炭をすき込み、さっきまで使っていた竹筒を再使用、地下部に酸素供給を行い、発根を促します。
また、根鉢周囲にも竹杭を打ち込んで縄で締め、根が動かないように地下支柱としました。

校庭ヤマザクラ移植 8
校庭ヤマザクラ移植 9

植え付け完了。
ここは風が強いため、風向きに合わせて補助的に竹支柱を取り付けています。
根は風の振動で伸びるため、結束は緩めに。
そして、手前にたまる水を、奥ののり面へと溝で誘導していきます。

校庭ヤマザクラ移植 10

溝は木を回るようにのり面へと向かいます。
根鉢周りには、飽和した水が底から抜けられるように、現場発生の小石と竹で仕掛けを。

校庭ヤマザクラ移植 11

ということで、移植完了。
これで、一人寂しかった中庭のヤマザクラは、これから仲間たちと過ごせます。

ただ、この植栽地もまた水が停滞しやすく、こうした仕掛けも一時しのぎです。
いづれは図のように、1本1本の盛土を繋いで根の張れるスペースを増やし、2つの盛り土の間に溝を掘って通気を良くしたり、手前の側溝に穴を開け、水を逃がしてやることなども必要になるでしょう。
木々が一人立ちする為の環境整備にはまだまだ時間が掛かりますが、今後も見守りを続け、できるところで協力していきたいと思います。

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