杜の木漏れ日

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土

朝仕事に行こうとしたら、土砂崩れで通行止め。
しかたなく迂回すると、造成中の田んぼに仮盛土がたくさんあった。
雨なのに、崩れずにいる。

土には安定したい角度、落ち着ける角度があって、それを「安息角」と言う。
安息角は、土や砂、石の山など、その傾斜を形作る個体で違う。
個体の質が細かでやわらかい山は崩れやすく、硬くて不整形な個体の重なりは、互いが組み合うので強い。
個体同士のつながりが強ければ、全体も強いということだ。

表面が密で硬ければ、雨は表土を削って流す。
でも、土の中に隙間があれば、雨は地下に浸透し、表面は流れない。
水や空気を通す山には木草が育つ。
木草は自身の葉を堆積させて腐葉土をつくるが、腐葉土が厚くなれば浸透力が増す。
そんな山には根が深く広く張るから、土は崩れない。
土が安定すれば人が住める場所になり、そこは安息の地になるだろう。

繊細でやわらかな土の山でも、水が浸透し、空気の通る山は強い。
そして、緑の力を借りて、土はどんどん強くなる。

「土」という字は、「-」の上に「+」が乗る。
これは、どんどん良くなるということだ。

人もまた同じ。
弱くても、強くなろうと思えば強くなれる。
マイナスでも、プラスになろうと思えばプラスになる。
良くなろうと思って良くなることを考え、それを実践すれば良くなる。
それが、自分が良くなりたいという気持ちから、みんなで良くなりたいに進化すれば、「良」は「善」へと変わるだろう。

緑は人心を善導する 」 という。
人生はいろいろ。
雨が降れば流され、崩れそうにもなる。
そんな時は緑の力を借りて、強い土になろう。

morinokomorebi1 (1)

強くてやさしい山(白神山地 岳岱風景林