杜の木漏れ日

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柿の木の浸透改善

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昨日紹介した「木漏れ日ベンチ」の庭、修景改善や庭を楽しく使うということの他に、もう一つ、大切な目的がありました。

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こちらは改修前の状態ですが、柿の木の根回りはアスファルトで舗装されています。
赤丸は、そのアスファルトを柿の木の根が持ち上げている部分、街路樹等によく見られる「根上がり」という状態です。
根の周りが舗装されているということは、地中に、根が必要とする水や空気が浸透していかないということで、根は水や空気の少ない下部ではなく上部に集まって根を張らせるために、結果として舗装を持ち上げ、路面が凸凹になってしまうという事態が起こります。
今回はその解消として、根回りの舗装面を広く剝ぎ、水と空気の浸透改善を図りつつ、根を地下部に誘導する取り組みです。

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まずは、アスファルトの剥ぎ取りから。

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アスファルトの下は、転圧された砕石の層。
根を傷付けないように丁寧に取り除いていきますが、太い根でも、直径にして2、3㎝程度。
こうした根が四方にあり、こんな細い根が舗装を持ち上げているのだから、樹木の根の力には驚かされます。

赤線部分は根の切れている所ですが、基礎打ちの際に根切りされたものでしょう。

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そして、根回りを数か所掘ってみると、根は舗装下20㎝程度の所に集中してあり、それより深い所には伸びていませんでした。
掘った位置は、幹から1~1.5m程度離れた所。
根回りのアスファルト開口部は直径で0,5m程でしたが、唯一、深さ80㎝程度まで根が張っていたのが、幹から60㎝程度の所でした。
雨の日にはよく、樹木の幹を伝う水の道が見られますが(樹幹流)、この柿の木もまた、そうしたロート(じょうご)効果によって、広げた枝張りが集めた雨水が幹を伝い、直下の地下部に浸透したということでしょう。

赤丸部分は、お施主さんが取り置きしていた竹を節抜きして埋め込んだものですが、この部分から地下に空気が入り、根切りされた部分の発根を促します。
埋め込んだ竹筒の深さは1m程度。
ここに、浅い位置で伸びていた根が酸素を求めて集まり、竹筒を伝って地中深く伸びていくという仕組みです。

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赤丸部分は、そうした竹筒が埋まっている箇所ですが、大谷石は水や空気を通すために、竹筒の上に乗っている箇所もあります。

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あるいはこんなふうに、大谷石の飛石や鉢置石の間にあったりと、竹筒を目立たなくさせる工夫もしています。

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こちらは、お施主さんが、竹筒周りに草花を植えた所。
上手にかくれんぼしていますね^^。

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砂地なので、アスファルトを剝ぐだけでも浸透効果はありますが、発根の促進と地中への根の誘導を早めるという意味で、今回は竹筒を使いました。
枝葉が良い状態にあるということは、地下部の根も良い環境にあるということ。
葉蔭がまんべんでないのは、その部分の枝が枯れていたということで、そうした部分も、これから徐々に埋まっていくでしょう。
そうなった時が、本当の意味での、「木漏れ日ベンチ」の完成。

そうこうしているうちにそんな奏功が現れればと、楽しみにしています。