FC2ブログ
街の緑1(勉強及び視察)

街路樹剪定見学会

4
IMGP2999.jpg

先週から始まった街路樹剪定も中盤に差し掛かり、先日、中間報告会を兼ねて、各会員が剪定した街路樹の見学会を行ないました。

先の新聞報道にもあったように、今回の街路樹剪定は市からの業務委託という形ですが、会としては、能代の街に適した樹形と剪定仕様を探る研究として、今回受注した342本のすべての木に試験剪定を行うという捉え方をしています。

それぞれの酒蔵にぞれぞれの考えや味があることを「酒屋万流」と言うのだそうですが、植木屋のやり方もまた万流で、それぞれに剪定観が違います。
市には街路樹の剪定仕様や管理方針は無いことなどから(県にもありません)、今回は会員個々の剪定観を尊重し、無理に仕様の統一をすることをやめ、各自が思い描く数年先の再生を目指して、342本のそれぞれにさまざまな試みを行っています。

というわけで、各会員が剪定中の路線を回り、剪定方針の説明と意見交換を行ないました。

P3160303.jpg

見学会はプラタナスから始まりましたが、最初に、昨年までの剪定を見てみます。

IMGP0859.jpg


そして、一年後の姿。
プラタナスは徒長の勢いが強いことから、能代では毎年このように剪定されていましたが、強剪定が繰り返されたことにより、切っては伸びるという悪循環に陥っていました。

IMGP2957.jpg

ということで、剪定例1。
この剪定は、1年で急激に徒長した枝は弱いということから、同じ枝を切り返すことにより枝自体に強度を持たせていくというやり方だそうです。
コブにならないよう、毎年切り返す位置を少しずつ高くし、小枝の発生を待って樹形を形作っていくとのこと。
枝の間引き方や残した枝の角度、長さのバランス、芽の向きなどに一工夫されたそうです。

IMGP3023.jpg

写真は、前年残した枝から吹いた小枝ですが、このようなイメージで樹冠を作り上げていかれる模様です。
 
IMGP3027.jpg

今度は、現在ある枝を出来る限り活かした、自然樹形仕様です。
野透かしと小透かしを併用し、なるべく枝先を切り詰めない剪定を行っています。
こちらは、木への負荷を最小限に抑えるため、枝を多めに残し、芯も数本立てています。
木が、切られたことによって不定芽に向けるエネルギーを、残した枝に分散させようという意図があるとのこと。
あまり混ませると枝の強度を弱めてしまうことから適度な枝抜きを行なっていますが、枝の強度を高めることと枝葉を減らしてしまうことのバランスに悩んだそうで、今回残した枝葉の量は、剪定前の半分程度だそうです。

IMGP3091.jpg

また、強度の弱い枝を詰めずに残すことの注意点として、昨年残した枝から数本の枝が出ている部分などは、互いが太りだして枝が裂けている箇所なども見られたことから、今後成長する枝の重みにより枝が折れるのを防ぐため、角度のいい枝を1本だけ残すようにするか、またはそのような枝は元から外し、幹元から出ている枝と更新するよう心掛けたそうです。

IMGP3096.jpg

数本の電線により、芯を残せなかった例。
支障の中でも、なんとかプラタナスらしさを活かしてあげたいという意欲を感じます。
 
IMGP3095.jpg

横から見てみると、電線に合わせた木の状況がよくわかります。

IMGP2948.jpg

同じく自然樹形ですが、こちらは電線などもないことから、野透かしのみの剪定で、林立する芯を1本にしたものです。
枝透かしを繰り返していきながら、5年後ぐらいにプラタナスらしい樹形に持っていきたいそうです。

IMGP3075.jpg

同じく野透かし。
上のプラタナスよりも枝数を多くしたものです。

IMGP3074.jpg

横から見たところです。
車道、歩道側に伸びる枝には本当に気を使いますね。


以上、試験剪定の中間報告でした。
各会員とも、街路の条件や木の状態に合わせ、さまざまな工夫をしていることがわかりました。

IMGP3076.jpg


この後、一服の時に見回りすると、路線のあちこちで、会員同士が剪定談義をしている光景と出会いました。
互いの剪定を見ることがいい刺激になり、新たな活力が生まれたようで、そんなことが樹形の仕上がりにも表れてきています。

この会員は、一本の柳に、二人で1日掛けたそうです。
息子を木に登らせ、親方が下から指導しながらの剪定ですが、仕事の効率を考えると通常は逆です。
採算を考えたら、全く間にあわないばかりか、かなりの赤字です。
それでもなお、やるのはなぜか、それは、「職人の誇り」以外の何ものでもありません。

この会の目的には「次代を担う若手の育成」という条項もあります。
時には、利益を度外視してでも、やらなければならない時はあるのです。
仕事として「間に合う、間に合わない」ではなく、後継を育てるという気概、嬉しいですね。
お金を競うより、技術や志を競うのが、職人のあるべき姿です。
このような姿にまた、皆もさらに刺激を受けることでしょう。

なかなかいい雰囲気になってきました。
この調子で、さらに頑張っていきたいと思います。
関連記事

4 Comments

There are no comments yet.
メグスリさんへ

紅の葉  

2009-02-27 08:28

やはり新聞報道の影響は大きく、作業中も市民のみなさんから激励や労いの言葉をいただきます。

剪定の祭典、グッドアイディアですね!
以前、市に街路樹剪定コンテストを提案したことがありましたが、今回の剪定は五年後に真価がわかるコンテストといえるかもしれません。
優勝目指して頑張ります(笑)。

EDIT  REPLY    
しんぼうさんへ

紅の葉  

2009-02-27 08:18

トラッブのような電線をかいくぐりながらの作業は大変ですが、一番大変なのはここで生きている木たちです。
人に人権があるように木にも木権があるんですよね。
木にも人にもいろんな立場や都合がありますが、できる限り尊重してあげたいです。
能代は市ですが、尊重さんを目指します(笑)。

EDIT  REPLY    
NoTitle

メグスリ  

2009-02-26 18:04

一斉に各路線ごとに植木屋さんが剪定を始めるなんて
剪定の祭典のようですね。
市民の方々も路線ごとの剪定を見て
昨年までとの違いを感じているのではないでしょうか?

EDIT  REPLY    
NoTitle

しんぼう  

2009-02-25 21:56

会員それぞれの意識と技術を尊重している様子がよくわかります。それにもまして、それぞれの場所に生きている樹木を一番に尊重した上で作業されていることがよくわかりました。樹木と人とのいい関わりが創造されはじめましたね。頭の下がる思いです。応援しています

EDIT  REPLY    

Leave a reply