杜の木漏れ日

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透かしは風格をつくる(オンコの透かし2)

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以前、オンコ(イチイ)の透かし を紹介したことがありました。
当地方では刈り込まれることの多いオンコですが、透かすと、風通しが良く雪の乗りも抑えられ、雪囲いの養生も軽減できます。
ただ、刈り込み物は内部に枯枝が多いため、それを外すのが大変。
この傘型オンコの透かしも一日がかりでしたが、枯枝外しに半日かかりました。

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今回は、大きくなったオンコを何とかしたいとのご要望により、円筒形に刈り込まれていたオンコを2年がかりで透かしました。

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昨年は、こんな感じでした。
地際まで枝があると、草取りなども大変で、下草にもあまり日が当たりません。
その解消として、一年目は下枝を外し、併せて枯枝もきれいに取り去りました。
これは、下枝の剪定だけでかなりの枝を減らしてしまうので、樹勢への影響を考えて、徐々に枝を減らしたということです。

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透かしによって、樹冠内の枝が見えるようになりました。
枝先を切っていないので、仕上がりもやわらか。
透かしは「サラッ」とした雰囲気が持ち味ですが、オンコ独特の「ふんわり感」を残せたので、枝が風にそよぐようになりました。

このオンコは建物近くにありますが、目の高さに緑の壁があると、圧迫感を感じます。
それが、透かしによって視線が通るようになると、解消されるのです。
仕上がりをご覧になった施主さんには喜んでいただけましたが、実はこのオンコ、高さや枝張りはほとんど変わっていません。
大きくなった木を何とかするために取った方法は、木を小さくすることではなく、木の足元や内部に空間をつくったということでした。
枝のかたずけはご主人の仕事ですが、木の下に身体が入るようになり、掃除もかなりしやすくなったようです。

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オンコは成長が遅い木。
成長が遅いからこそ、大きくなるまでには時間が掛かり、そうした木が家にあるということは、家の歴史を感じさせるということ。
大きなオンコがあることで、家や庭に風格が生まれるということです。
枝垂れモミジとともに、この庭の主役です。