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庭の手入れ

庭の更新と樹木の更新

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先日、点検に伺ったお庭。
作庭から7年、植栽した木々も大きくなり、存在感のある木立になってきました。
この庭は、背後に里山が見える絶好のロケーション。
そんな里山とのつながりを考えて、この地に育つ自生種で樹林をつくろうというコンセプトでした。

0-1(2011、9)

作庭した時はこんな感じでした。
この樹林の幹は今、植えた時の3倍ほどの太さになり、枝張りが増して木蔭をつくれるようになっています。
庭はつくった時が完成なのではなく、そこから成長するもの。
この7年の樹々の成長ぶりを見ると、あらためてそんなことを感じます。

里山の樹々は、15~20年周期で伐って薪や炭にしますが、伐られた木は根元から多くの芽を吹かせ、株立ち状の木になります。
こうした方法を「萌芽更新」と言いますが、里山を背景としたこの庭には、そうした株立ち状のヤマモミジを多く植えて、山とのつながりを持たせています。

1(7年前)

この庭にはもともとイチョウの木(左端)がありましたが、株立ちの中に直立する単幹があると、周囲とのバランスが取れなくなります。

1-1(7年前 2010 11月)

この木は移植できる状態に無かったので、里山の更新と同じように根元で伐り、株立ちとして生まれ変わらせることにしました。

2(2011 10か月後)

更新の1年後。
数本の芽が出て、50cmほどの高さになりました。

3-0 → 3(3年後 2013、12)

3年後、芽は枝となり、混み合ってきたことから、多少の間引き剪定を行いました。
樹高は1.5m程になってきています。

4(2017.9 7年目)

そして7年後の今年。
樹高は倍になりました。

4-1

左手前は株立ちのヤマモミジですが、同様の雰囲気になってきました。

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自生種の樹林も成長していますが、イチョウの樹高はすでにそれを超えています。
この成長の速さはやはり、根がそのまま残っているからでしょう。
ただ、これが単幹だとどんどん大きくなりますが、株立ちは多幹のため、その分、成長力が分散されます。
株立ちは、背が高くなっても、幹の間引きによって樹高を下げられるという利点もあるので、この萌芽更新は、今後の管理も考えてのものでした。


このイチョウの更新(伐採)時期は、葉が落ちた11月。
樹木が活動している夏場に行うと、木は大きなダメージを受け、大きな木などは枯死に至ります。
「更新」を辞書引きすると、「改まること、継続すること」と出てきますが、更新は、その木の命を終わらせることではなく続かせること。
「伐採」ということでは同じですが、「更新」は木の命を生かすために行う。
生かすために行うものだから、木を生かせる適期に行うということです。

街路樹などでは、大きくなった木を処分(伐採抜根)して若い木と植え替えることがありますが、こうしたことも「更新」と呼ばれます。
また、弘前公園の桜などのように、太い老幹を切り、若枝と交代させることも「更新」。
前者は、大きな木の寿命を終わらせて若い命と取り換えるということですが、「街路樹」を無くすのではなく、その場所に街路樹という存在を「継続」させるという意味での「更新」ということなのでしょう。

後者は、形を変えて、同じ個体の命を生かし続ける方法ですが、いかに適期であっても、大きな木の幹を元から伐ることは木の衰弱に繋がることから、交代させる若枝の成長を待ちつつ、段階的に幹を下げていくやり方です。
里山の更新周期が15~20年なのは、木が太くなり、更新によるダメージが大きくなる前に伐るということ。
このイチョウでも、弘前公園の桜のように下部に若枝を成長させながら徐々に更新を図ることも可能ですが、イチョウは樹齢が15年程度と若く、根元からの萌芽更新に耐えられると判断、伐採による更新を選択したということがありました。

街路樹のような、個体を交換して街路樹の存在を継続させる更新と、個体そのものをその場で生かし続ける更新。
移植ができない環境では街路樹のような更新もやむ負えないものがありますが、木を生かすのが植木屋。
状況が許すのであれば、できれば弘前公園のように、その木の命をそこで継続させてあげたいと思います。


このイチョウの木は、庭の更新(リニューアル)に伴う萌芽更新。
7年経って、ようやくイチョウの木も庭に馴染んできました。
里山の樹々と共生していけるよう、今後も見守っていきましょう。
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