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街の緑1(勉強及び視察)

合同剪定会

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剪定作業をする研究会会員と若手の会のメンバー

21日(土)、能代造園技術研究会と若手の会の合同奉仕により、二ツ井地区の街路樹を剪定しました。

今回の作業は、強剪定後6年経過したイチョウの再生のため、3年前に二ツ井地域局が透かし(枝抜き)剪定を試みた街路樹22本を、両会の勉強会を兼ねて、奉仕で行ったものです。
(剪定当時の様子はコチラhttp://www.shirakami.or.jp/~niwaya/07-sentei.htm)、

この街路樹は、この2年間、「緑の景観を考える会」の4人が試験剪定を行なってきたものですが
(昨年の模様はコチラhttp://www.shirakami.or.jp/~niwaya/niwa-kai-08-0312.htm)、
今回、緑景会(長いので略します)のメンバーがそれぞれ研究会と若手の会に分散したことから、この度、二つの会にこの事業が引き継がれました。

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雪囲いの解体も始まり、忙しくなってきた中での開催となりましたが、13名のメンバーが、せっかくの仕事日和にもかかわらず集まってくれました。
今回は、私の地元、二ツ井地区での開催であることや、緑景会でこの街路樹に携わってきた経緯などから、私が進行を担当させていただくことに。
作業に先立ち、枝抜き時の状態や、その後2年間の枝の伸び方と管理状況など、実際に木を見て歩きながら話していきました。

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今回の仕様は、昨年同様、枝抜き後の樹勢回復と樹形の安定のため、残した枝の枝葉を充実させることを目的とした剪定です。
剪定は、枝先への養分補給の支障となる幹吹枝と、車両や歩行者の通行の支障となる下枝のみを外すにとどめ、樹体に極力負荷を掛けないように手を入れるということで、全員作業の前に若手に木に登ってもらい、見本剪定を行ないました。

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同じ木の、3年前の剪定時の姿です。
この木は状態が良く、当時は5分の1程度の枝抜きで済みました。
剪定法も、極力、野透かしに近いやり方で行なったこともあり、枝先の徒長枝も無く、幹吹きなども数本しか出ませんでした。

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上の剪定から2年経った、剪定後の現在の姿です。
いい按配で、残した枝の枝葉が充実してきました。

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今回、剪定した枝の量。
落とした枝は、全体の10分の1以下、太い枝は切ってないので、ノコギリはいっさい使わず、剪定鋏だけですみました。
街路樹には、真夏に木陰を提供するという大きな役割があります。
樹形を作ることばかりにとらわれず、芽吹いた後の葉が適度な木陰を作れるかどうかを想定しながら鋏を入れることも必要です。
その木の状態とその木の目的に合わせて、その時必要な所だけに手を入れ、必要な分だけ枝を外してあげればいいのではないかと思います。

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同じ木の、剪定後半年経過した時の写真です。
剪定時(落葉時)は斜め上を向いていた枝が、葉の重みで下がっているのがわかると思います。
これは、ブツ切り後に出た枝は実は弱く、これまで、混み合うことで互いに支え合っていた枝を間引いてやると、支えを無くした枝は、出てきた葉と水分の重みで下がってしまうという現象で、私がこの剪定を失敗したおかげで、木から教えてもらったことでした。
(この失敗談は、庭誌186号の「街路樹は泣いている⑪~緑都再生~心意気で拡げる街路樹の輪ー失敗は成功の始まりー」でも紹介していますhttp://www.ksknet.co.jp/book/search_detail.asp?bc=05002186)。

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これは、1年半後。
上の写真に、今回と同様の剪定をしたものですが、徒長も無く、枝葉が充実してきているのがわかります。
1年前は葉の重みで下がっていた枝も、イチョウらしく、全ての枝が斜め上方に枝を広げてきました。
最初の剪定の時に残した枝には小枝や葉が増えていて、枝の重みは増しているのですが、枝は下がることなく上方に向いています。
これは、枝に強度が付いてきたという証拠です。

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若いメンバーへの説明。
「剪定の極意とは、『手を入れたことがわからないほど自然な手入れ』。
一見して枝を切ったかどうかわからないような自然な姿は、木にとっても切られたことを感じないということで、切られる前と同様の生命活動を支障なく行えるということ。

徒長枝や不定芽の発生は、木が切られたことで異変を感じ、これまでと同じ生命活動を維持しようとするために起きる現象で、ほとんどが人為的な剪定によって起こる。
仕立て木などの刈り込み剪定は、切られることによって萌芽する木の性質を利用した剪定法だが、それは木側にとってはとても迷惑な話で、そよ風に枝先が揺れるような柔らかさが命の落葉樹の樹形には向かない。

また、自然樹形とは木が伸びたいように伸びる姿であるから、庭木のような平らな仕上げ方もまた、木に負荷を掛け、徒長を促してしまう。
イチョウは本来、斜め上方に枝を伸ばす木なのだから、その伸び方を尊重してあげることが大事。

木は、放任すれば自分の力で元に戻ろうとするから、毎年のように無理に作りこむ必要もない。
木は切られたいとは思ってないし、切られなくても生きていける。
切らないこともまた管理のうちで、大きな剪定の後には、一定期間、木を療養させることも大切。

徒長や不定芽を発生させる剪定は、木のことを考えたら「失敗」だ。
そんな意味では、私のここでの剪定は大失敗だった。
制約のある街路でこれをやることは難しいが、徒長や不定芽を出させずに自然樹形を維持することが究極の剪定ではないかと思う。
そんなことを研究していくことにも、植木屋の醍醐味がある。
木に優しい手入れは人にも優しい。
優しい手入れを目指して頑張ろう!」

なんていうことを、えらそうに言っています(笑)。

剪定作業開始


作業の様子です。
若手同士、親方同士、親子同士、いろんな組み合わせの中、剪定作業が進んでいきました。
和気あいあいとした雰囲気の中でも、みんな真剣です。

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木に登ると切りたい衝動に駆られて、自分が切りすぎていることに気付かないものです。
今後の枝の更新や木陰の確保を考えて、幹吹は立ち上がる枝のみを外し横枝は残すという仕様でしたが、つい、切りたくなってきた若手に、下で見ている親方衆からゲキが飛びます(笑)。

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作業は2時間ほどで無事終了。
来年も、両会では同所の剪定協力を市に対して行なう予定ですが、今度は、枝の伸張状態を見ながら適度な枝抜きを試みるつもりです。
会はこの後、二ツ井小学校前のプラタナスも視察、今後の剪定仕様の研究を行ないました。
会の皆さん、本当にお疲れさまでした。

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追記

この日の様子が、3月25日付の北羽新報二ツ井版に掲載されました。
二ツ井の方々には、「能代のことばっかりやって!」とお叱りを受けそうでしたので、なんとか今年も二ツ井の木たちに手を入れてあげることが出来て、ホッとしています。

あと1ヶ月もすれば、この通りは優しい新緑で包まれることでしょう。
今年もこの市日通りが賑わい、市民の皆さんに涼やかな木陰を提供できたら嬉しいですね。

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4 Comments

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しんぼうさんへ

紅の葉  

2009-03-26 18:27

世界一になるには、大リーグボール級の技をマスターしなければなりませんね。
研究会は9人、若手の会は8人。
そのうち、野球交流もできるかもしれません。
でも野球は、からきしの私です・・・。

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よっちゃんさんへ

紅の葉  

2009-03-26 18:21

>20日の午後
そうでしたか。
この日私は、ハクション大魔王のようでした(笑)。

人の噂も3年と言います。
3年でこの街の緑が再生できるよう、頑張りますっ。

ということで、よっちゃんさんのブログ、本日リンクさせていただきました。
熱い仕事に、若手のみんなも釘付けとなるでしょう。
今後とも、よろしくお願いいたします。

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しんぼう  

2009-03-25 10:54

アメリカで戦った野球侍もかっこよかったですが、秋田の庭侍もさらにかっこいいです。すでに世界一です!

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よっちゃん  

2009-03-24 19:26

20日の午後に 

秋田の熱い方々の話をしていたので 

くしゃみがとまらなかったのではないでしょうか?(笑) 
いい噂は こちらまで届いていますよ!! 

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