ヒマラヤシーダーの透かし(秋)

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円筒形のヒマラヤシーダー。
樹高4m程度の木を小さくしたいとのことで、ご相談をいただきました。

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樹形のイメージ。
条件は赤線の枠内に収めることですが、剪定のポイントとして5つほど上げました。

➀樹木は車庫と住宅に挟まれた所にあるので、建造物に障らないよう、住宅側は人が歩けるようにする。
②全体的に小さくするのではなく、支障の出る個所を大きく落とす。
③緑のボリュームが濃いと木も大きく見えて圧迫感も増すために、目線が抜ける程度に透かす。
④雪の枝折れ防止として、枝がしなれるような状態にする。
⑤冬期の寒風害を考慮して、剪定量を加減する。

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ということで、まずは下枝を落としました。

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剪定後。
この1本に半日作業でしたが、枯枝はきれいに外されていたために、この程度ですみました。
枯枝枯葉の除去から始めると、おそらく一日がかりでしょう。
刈り込み剪定で内部まで手を入れているのは珍しく、ご家族の庭への愛情が伝わります。

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下から見上げた所。
外側30cm程度の所に葉の層がありますが、枝抜きで採光が改良されたために、今後は内部の発芽が促進されるでしょう。
そうして出た芽が充実した枝になると、今度はそこまで樹冠を縮小できる。
一気に小さくすると丸坊主になり、葉が無くなると常緑の針葉樹は枯れてしまいます。
樹木は生き物なのでとてもデリケート。
加減を考えて、時間を掛けて少しづつです。

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仕上がりの枝葉の濃淡。
左側の方が若干濃く見えると思いますが、冬期の風はこちら側から吹くので、風を受ける側の枝葉を多くしています。
秋の常緑樹の透かしでは、こうした工夫も行っています。


針葉樹の透かしについては、以前にドイツトウヒの透かしを紹介していました。
この時は6月でしたが、夏前は真夏の日焼けに気を付け、冬前は真冬の風焼けに気を付ける。

この間の県の街路樹講演会では、剪定で大切な3つのポイントとして『切る時期、切る位置、切る量』を上げました。
「切る位置」は不変ですが、「切る量」は、「切る時期」に合わせて変える。
そしてこれは、常緑樹や落葉樹でも変わります。
四季の寒暖差が大きい北国では、大切にしたい樹木への配慮です。