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庭の設計

植栽時の土壌改良と通気改善

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社屋の植栽スペースにヤブツバキを植えました。
板塀に緑の葉が映えて、とてもいい感じです。
足元に多少の縁石を付けてありますが、これは深さ60~100㎝の土中から出たもの。
ツバキの根は30㎝ほどなので、その3倍の土を掘り返したということです。

植栽の依頼をいただいた時は、お好みの樹種を聞くとともに、土の状態も伺います。
そのうえで、選ばれた木が現場の土壌条件で健全に育てるかどうかを調べます。
今回は、黒土の下に砕石があるとのこと。
黒土や砕石はどの程度入っていて、その下層はどうなっているのか、根が深層まで伸びていける状態にあるのかなどを調べることにしました。

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一か所掘ってみると、黒土表土30㎝の下に砕石の層が30㎝、その下層は1.5m以上の深さまで山砂でした。
幸い、砕石は転圧されていないので、土壌改良剤を混合すれば、今後の硬化も防げるでしょう。

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2か所目。
こちらは砕石の下層が玉石混じりの礫層で少し硬く、それが深さ1mで粘土質へと変わり、そこから20㎝ほど下がると、粘土は青灰色になっています(グライ化)。

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3か所目は、礫層にセメントが混入されているようで、硬くて点掘りは無理。
広く掘り下げると、1mほどでグライ土壌となっていました。

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こちらは地中の予想図。
グライ化は深い所で起こっていますが、それ以前に、砕石下の土層が硬すぎるため、現状では、根は黒土部分の浅い層に分布するということになるでしょう。
植栽スペースがコンクリートなどで仕切られている場合は、浅い層に張り巡らされた根が行き場をなくし、根詰まりを起こす時もあります(砕石上に植えられた木が根詰まりした例)。
この状態で植栽するには、根の浅い低木や草花を植えて楽しむということになるでしょうか。

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ということで、3地点の土質調査をもとに、このような解決策(土壌改良と通気改善)を実施することになりました。

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酸欠改善には酸素供給。
ポイントとして掘った穴に酸素管と木炭を埋設して、地下や根鉢に酸素を送り込みます。

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酸素管を埋設したら、黒土、砕石、玉石、粘土の既存土を混合、土壌改良材(バーク堆肥と燻炭)を漉きこんで通気を良くし、これを根鉢の床土にしていきます。

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作業は、黒土を一度外に出して行っていますが、この土の量で2トン車2台分はあるでしょうか。
そして、掘り起こして耕運した、黒土下の既存土がさらに2台分。
今回の仕事の中で、木を植えるのは全体作業の一割、9割は、計4台分の土のマッサージです。
見えない部分に掛ける9割の手間暇が、樹木を健康にするための根幹といえるでしょう。

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ということで、植栽完了。
なかなか骨の折れる作業ですが、筋肉痛ですんだのは幸いです。
大変なことは、はじめにやっておいたほうが楽。
後で苦労するよりは最初に苦労しておくほうが人も木も楽できます。

何事も最初が肝心ですが、こうした調査を造園設計の時にやっておくことが大切で、これはある意味、デザインよりも大事なこと。
さらにいえば、建築設計の段階から地中の環境づくりを考えておくと、効率的で経済的な改良ができるでしょう。
そうなれば、植木屋の筋肉痛も少しは減るでしょうか^^。

参考 土の手入れ
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