青竹の袖垣(リニューアル)
2018年04月26日

黒穂を束ねた袖垣。
柱や胴縁は二回ほど交換していますが、立子はそのままで、結びを取り換えた程度で20年持ちました。
通常は、5,6年で作り替えるので、かなりの長持ち。
そろそろ限界が来たので、作り替えることになりました。

完成です。
青竹を2本使いにした鉄砲垣に生まれ変わりました。
立子を細くし、間隔も広めに取ったので、明るさと軽快感が出てきたようです。
竹垣で一番先に弱るのは骨組み。
より長持ちさせるために、柱には青森ヒバ、胴縁にはヒノキを使っています。

長持ちさせるための工夫がもう一つ。
柱は、水のたまりやすい地際が真っ先に腐ります。
ここは屋根下の雨落に近い所なので、今回は柱周りの埋め戻しに土ではなく軽石を突き込み、水が抜けるようにしてみました。

裏側から見てみます。
柱同様、立子を土に埋めると腐りが早まるので、石の上に載せています。
埋め込み式よりも多少手間が掛かりますが、この一手間で5年は長持ちするでしょう。
また、結びの中には銅線を巻いているため、縄が腐っても崩壊しない仕掛けになっています。
よく見ると、上部がランダムになっていますが、これは、遊びであるとともに、狭い敷地を広く見せるための工夫です。

こちらは、同じ庭にある、一昨年に取り換えた四ツ目垣。
今回の袖垣はこれをコンパクトにしたものですが、同じ雰囲気の竹垣で、庭につながりを持たせています。
この四ツ目垣も更新の度に形を変えてきましたが、庭は成長進化するもの。
その時の雰囲気に合わせたものを作っていきます。

袖垣の向こうに四ツ目垣が見えますが、今回は、片側の柱が限界に来ました。
解体した袖垣の柱は上部がまだ使えるので、それと交換。
全面更新の時までは持ってくれるでしょう。
この間の残材排水桝はこの四ツ目垣の裏側にありますが、まだ使えるものは捨てずにその庭で活かします。

仕舞った後、一服をいただきながら見る景色は格別です。
ヤブツバキが咲いている季節でよかったなあと思いつつ、次にここで一服をいただくのは夏の手入れ。
この青竹の色は今しか見れないと思うと、この一期一会はとても貴重です。
自然素材は、経年変化があるから魅力的。
今度来る時は、さらに落ち着いた風情で迎えてくれるでしょう。

帰り際、ポーチに伸びる影が印象的でした。
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