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庭への思い

ささやかな挑戦

今回、改修を行った校庭では、公共工事では見ることの少ない、ささやかな挑戦をいくつかしています。

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写真のように、公共地の植栽では同樹種同大等間隔が一般的。
全面が土の所では、庭のようにもっと自由な植え方をしても良いのではないかと常々思っています。

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冒頭写真は7年前に植えたヤマザクラですが、この写真は、そのヤマザクラの植え付け時に側面から撮ったものです(支柱取り付け前)。
図面の植栽配置は直線上に等間隔となっていましたが、それを、わからない程度に多少ずらして植えています。
自然界で、直線状に等間隔で木が生えている所はありません。
ヤマザクラはこの地の山々に自生する木。
であれば、山にあるように植えるべきではないか。
などと、そんなことを思って、気付かない程度に位置をずらしていました。

このヤマザクラは自身が選び、自身で掘り取ってきた木たち。
雪で鍛えられて幹が曲がったこの木たちを、まっすぐに植えるのではもったいない。
この木たちの個性を活かし、背後の山と繋がる景観にするためにも、幹の曲がりを中心から外側に向くようにしつつ、間隔も微妙に変えるということをしていました。

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それが、昨年、中庭のヤマザクラをこちらに移した際、これはボランティアでやったこともあって、この木の姿が最も活きる場所や位置をこちらで決めることができました。

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そして今年は、このヤマザクラの群落の中にもう1本追加するということになって、その場所もお任せいただきました。
それが、この景観。
時間はかかりましたが、少しづつ少しづつ、庭と同じように、山と同じように、自然な雰囲気に近づいてきたのは嬉しいことです。

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そしてこの一本の木を植える時は、地上に支柱を付けずに、地下支柱という工法を行っています。
公共植栽では支柱の取り付けが常識化していますが、人工物である支柱が景観や樹木の成長を阻害し、支柱が用をなさなくなった後も放置されてしまうという現実があります。
この地下支柱はそうしたことを回避でき、かつ、節抜きの竹を用いると、地中に空気を供給できるという利点もあり、支柱材を有機物にすれば、やがて堆肥化されて土に還る。
今回はそうした取り組みもしています。

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そして、木の橋や、土から出た石の伝いや浸透管なども、公共ではなかなかできないこと。
でも実際に実現できて喜ばれている。
喜ばれれば記憶に残り、それが実績となっていく。

型にはまったようなことの多い公共工事でも、臨機応変が効く時もある。
そんなところに、庭師の腕の見せ所もあるのです。
せっかく磨いた腕を、みんなの庭(公共)でも活かしていければと思います。
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