FC2ブログ

Welcome to my blog

街の緑1(勉強及び視察)

つかの桜街道~津軽の街路樹1

hirosakigairojyu.jpg

弘前市街から国道7号線を藤崎町方面に向かうと、「つかの桜街道」と名付けられた見事な桜並木があります。

tukanosakura (2)

tukanosakura (4)

tukanosakura (5)

この並木は、4車線道路の両端と中央分離帯の3列に配されていますが、よく見ると、両端の並木の枝は、道路側を短く歩道側と側方左右を長くした「片枝樹形」、真ん中の並木は両側を短く左右に広い「扁平樹形」スタイルになっています。

tukanosakura (3)

図にすると、こんな感じでしょうか。

tukanosakura (8)

どちらも、車から木を見た時は左右均等に枝を広げた形にはなりませんが、歩道から向かい側を見ると、桜らしい形をしています。

tukanosakura (7)

片枝樹形と扁平樹形については、東京都江戸川区の街路樹指針『新しい街路樹デザイン』にその説明がありますが、
「狭い道路では樹木が大きく枝葉を伸ばす事は出来ない。
しかしながら、街路樹は樹体の維持のために栄養素を生産する葉を茂らせなければならない。
狭小路線などでは、車道の上空や後背地などに、枝葉を伸ばす事の出来る空間を見出し、樹形を管理する。」
と記されています。
この二つの樹形スタイルは、車歩道の通行支障に対処したものであるとともに、樹木の養分生成に支障を起こさせないための配慮の樹形でもあるということです。
これは、人と樹木を共生させるための工夫ですが、人への気遣いが多い街路樹にあって、木のことを慮っているということをとても嬉しく思います。

tukanosakura (6)

この並木の素晴らしさはまだあって、郊外では片枝樹形になっている並木が、建物の多い街中では扁平樹形になっている所もあるなど、画一管理されがちな公共工事にあって、状況に応じた方法が取られていること。

この並木は国交省管理ですが、実は先月、同じく7号線を管理する能代の管理事務所を訪れた際、能代管内の樹木管理にこの桜並木のやり方を活かせないかと、弘前の事務所に詳細を問い合わせてもらっていました。
仕様書は特に無いとのことで驚きましたが、無くてもできるということは、それだけ、関係者のレベルが高いということ。

行政のレベルが高くても施工者の意識や技術が低ければ、いくら素晴らしい仕様書があっても樹木は良くなりません。
逆に、行政のレベルが低くても、施工者に高い意識と技術があれば、仕様書よりもいい状態になる。
どちらのレベルも高ければ、最高の状態になるということです。

ただ、官業のレベルが高くても市民の関心が低ければ、街路樹は良くなりません。
この並木が素晴らしい状態になっていることの理由には、並木の桜は市民の手で植えられたもので、道路改修の際も市民が保存を望み、名称や看板製作などには町内会連合会が関わっているとのこと。
さらに、国と市、地元企業の連携などもあるとのことで、三拍子も四拍子もそろったこの並木は、『街路樹百選』にも選ばれているそうです。
この、「つかの桜街道」は、技術ばかりでなく、市民の誇りを感じる街路樹でした。

つかの桜街道

関連記事