杜の木漏れ日

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さくらサミットinせんぼく

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先週の土曜日のことになりますが、角館で行なわれた「さくらサミット」を聴講してきました。
この会議は、桜による「まちづくり」を推進する全国の自治体が一堂に会し、互いの取り組みを紹介する中で共通の課題について討議するものだそうで、開催三日前の新聞記事でその存在を初めて知り、急遽参加してきたものです。
(写真は、会議後に通った武家屋敷)

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このサミットには全国の20自治体が加盟、秋田では、みちのくの小京都、「角館」を有する仙北市が参加しています。
全国の加盟自治体はコチラhttp://www.gyosei.co.jp/home/company/jigyou_create_sakura02.html
で紹介していますが、同じ桜をメインにする都市でも、堤防の桜、公園の桜、街路樹の桜、山の桜と、さまざまな桜の名所があるというところにも興味深いものがあります。

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(2009年4月27日 北羽新報より)

実は今春、地元の名所「きみまち阪」の桜の開花が思わしくなく、役所の依頼で町内の桜の状況を調査したり、地元紙からの取材を受けたりしていたのですが、満開期でも花がまばらな状態はこれまでに見たことがなく、桜一つとっても知らないことがたくさんあるなぁ、と、自分の未熟を痛感していたところです。

この5年間、街路樹改善運動を続けてきましたが、街の緑を良くするためには剪定技術だけではダメで、植木屋として木の生理をもっと深く知るとともに、まちづくりの意識を持って取り組むことが大切だということを感じていましたので、このサミットの開催は私にとって、とてもタイムリーなものでした。

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(2009年7月12日 秋田さきがけ新報より)

私が今回、一番興味を持って聴いていたのは、花の咲いていない時期に、どうやって市民に桜の存在や大切さをアピールしているかということで、それを知ることによって、花の目立たない街路樹などに市民の目を向かせるための何かが見つかるのではないかと期待していました。

そんな中で目を惹いたのは、、福島県富岡町で開催しているという「枯葉イベント」(http://www.haru-urara.com/event/kareha2.html昨年で6回目)。
同町では、落葉のプールで子どもたちを遊ばせたり焼き芋を焼いたりするイベントなどを行なっているそうで、これは素晴らしい取り組みだと思いました。
全国の多くの街路樹が無残な姿になっているのは、ほとんどが落葉の苦情。
こんな楽しいイベントの中で落葉と触れ合う機会があれば、街の緑への理解ももう少し深まるのではないかと考えていますが、会議の最中、能代でも何か、こんなことは出来ないものか、何かいい手は無いだろうか、そうだ!街路樹サミットは出来ないだろうか、なんてことを考えていた私です。

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全体会議の後は、元市職員で「桜係」を務められていた、樹木医の黒坂登さんを講師に「文化財としてサクラを引き継ぐ」という事例報告が行なわれました。
街路樹の先進地、江戸川区にも「街路樹係」という課がありますが、公園課なども無い役所が多い中、ピンポイントの「桜係」という係があることは凄いことです。

黒坂さんの報告では、桜の維持管理や治療、再生技術なども写真付きで解説され、これはとても参考になりました。
残念ながら質疑のコーナーはありませんでしたので閉会後に直接お話を聞きに伺いましたが、新聞各社の取材の後でも気さくにお話してくれた黒坂さん、本当にありがとうございます。
私の拙い質問に対し、「きみまち阪の桜も、ウソの食害。冬の平均気温が高いとウソは来る。角館では忌避材などで対処していて、それなりの効果はある。殺菌剤に頼らず、枝の切り残しを無くして腐りが入らないようにすること、カルスが再生しやすい切り方をすることが大切。」など、さまざまなことを教えて下さいました。

散会後には、武家屋敷を散策中にバッタリと再会、現場でお話を聞くことも出来ました。
これも何かの縁です。
今春にはお隣の藤里町に県の講習会で来られたとのこと、今度は是非、能代にも講演に来てくださいとお願いして、お別れしました。

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(さくらサミットプログラムから)

黒坂さんの報告の後は、角館出身の作家、塩野米松さんの記念講演。
塩野さんは聞き書きの名手と言われていますが、私も若い頃、法隆寺の棟梁、西岡常一さんのことを書かれた本を読み、職人の厳しさや素晴らしさに感動したことを覚えています。

講演では、その西岡さんの話にも触れられて、「樹齢千年のヒノキで建てるなら、千年以上持つ建物を作るのが大工の務め。」と言われていたことを紹介、また、イギリスの酒樽作りの職人に取材した際には、「樹齢100年のカシの木で樽を作るなら70年持たせた後に解体、小さく作り直してさらに30年使う。それが木に対する礼儀。」という話を聞き、職人の思いや誇りは世界共通のものであるということを話されていたことが、とても印象に残りました。
 
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3時間以上に渡るサミットでしたが、とても充実した内容でした。
写真は、後日、さきがけ新報に載ったコラムですが、サミットの報告の中で出た「点から線へ、線から面へ」という取り組みについて触れ、地域づくりは具体的な実行に移すことが大切であり、「多様な報告や提言は、住民にとっても学ぶべき点が多かったのでは?」と結んでいます。

昨日は、この桜サミットにオブザーバー参加していた弘前市の公園緑地課を訪問、公園管理の樹木医さんとお話しすることができました。
出会いや機会は点で終わらせず、そこで学んだものを次に活かしていかなければなりません。
線から面に、広く緑のまちづくりに活かしていくためにも、これからもさまざまな勉強をしていきたいと思います。

以上、さくらサミットの報告でした。

Comments 2

紅  

しんぼうさんへ

遠出するお金が無いので、日帰り圏内で楽しんでいます(笑)。

役所の専門職の方との話はとてもタメになりました。
みなさん、役人というよりも、木が好きな人という印象です。
大切なのは樹木への愛情とふるさとを愛する心、そんなことを教えられたような気がします。

落葉は自然界からのプレゼントですね。
いつか落葉の海でバシャバシャやってみたいです。
カナヅチの私でも泳げるかもしれません(笑)。

2009/07/22 (Wed) 05:52 | EDIT | REPLY |   

しんぼう  

いつもいつも紅さんの意識の高さと行動力には頭が下がります。
落ち葉プールは最近あちこちで行われてますね。役所の方々もかなり勉強していますね。すばらしいことです。桜国日本、いい国です

2009/07/21 (Tue) 20:25 | EDIT | REPLY |   

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