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作庭紹介

小道のある法面の庭

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施工中だった、大館市の庭が仕上がりました。
切土された法面に土留めと小道をつくりながら、腐植層の無い土を植物が育てる環境に変えていく仕事です。

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施工前。
手前部分は雨で流れた表土が下に広がり、幾分勾配の緩い奥のほうは、それほどでもありません。
どんな庭にするのかは土に訊け。
土には安定する角度や硬さがありますが、流れた土の広がりが、ここまで出ていきたいと言っているようです。

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ということで、それを尊重しつつ、敷地から出た残土を盛って造成。
斜面は緩やかで広いほど落ち着きますが、住宅や除雪との兼ね合いも考えて、ギリギリの所まで土を伸ばしています。

法面で、ゆるやかに歩いて登れる角度が取れるのは、最長距離。
起点と終点を最も長く取れるよう、多少の曲がりを持たせながら小道のラインも割り出していきました。

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そして完成。
図面はこんな感じでしたが、やはり紙の上と実際は違います。
歩いてみると少し勾配が強く感じたため、途中に石段を何カ所か設けました。

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園路の素材は、バークチップ(樹皮)。
これから草花を植えると道に土がこぼれたり、落ち葉が飛んできたりすることもあると思いますが、そうしたことが自然に見えるように、有機物を敷いています。
この辺りは昔、雑木林だったとのこと。
石との統一感を考えれば砂利ですが、この地に即した物という点で、この素材を選んでいます。
今は赤さが目に残りますが、徐々に庭に馴染んでいくことでしょう。
落ち葉と混ざり合えば、もっと良くなります。
(※参照 やさしい道 木立をめぐる庭

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バークチップ敷きの園路は主線ですが、副線として、石段の道も設けています。
石段も石段周りの石積みも、石と石をかみ合わせるように組んでいますが、『石積みはチームワーク』と言うように、個々が支え合って全体の強度を高めつつ、石段と石積みも一体化させています。

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石材は市内産の山石ですが、『その地その家の素材でつくる』のが私の主義。
この間発刊された『敷石と飛石の極意』にも書きましたが、今回も土地の石を使っています。

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石段は途中から分かれて、主線へと繋がります。

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その途中にある水たまり。
石段や石積みと同じ石ですが、柱状剥離するこの石で窪みのあるものは珍しく、庭の景色として据えてみました。
小さな水面ですが、鳥が遊びに来てくれたらうれしいですね。

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もうひとつの副線は軽石敷きの園路。
これは、花植えや草取りをするための道です。
足場の悪い斜面だからこそ、道があると便利。

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黒い部分は、土壌改良を行った植栽スペース。
これは雨後に撮ったものですが、木炭を漉き込んでいるので浸透性が高まり、雨でも土が流れません。
また、石積みの裏込めには軽石を使っているため、土中に浸み込んだ水は石の隙間からゆっくりと排水されます。
(※参照 土を留めて水を止めない

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小道の脇にある植栽ポケット。
少しでも多く草花を植えられるように、所々に、小さなポケットをつくっています。

花植えは来年になると思いますが、楽しんでいただければ幸いです。
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