苦労を込める
2019年05月29日

この間つくった石のベンチ。
既存の縁石を少し解体し、その中に組み込んでいます。
実は、この縁石を掘り起こすのに一苦労しました。
地上部の厚みは2cmほどですが、地中に20~30cmほど埋まり、そうした石が組み合いつつ連なっているのです。
まさに氷山の一角ですが、解体が難儀だということは、この石を据える時にはそれ以上に難儀をしているということで、丁寧な仕事をしている証拠。
『苦労は(人に見せず)庭に込める』と言われた名人がいましたが、庭を直させてもらう時には作り手のそうした苦労や思いを汲んで、その庭で活かしてあげたいものです。

ということで、解体した縁石は、ベンチの裏で道になりました。
凹凸のある石ですが、組み合わせると、なかなかいい表情をしています。
作り立て感が無く馴染んで見えるのは、この石たちが、この庭で過ごしてきた時間が表れているからでもあります。
延段に変わっても、縁石だった時と同じぐらい深く埋まりました。
私も、この道に苦労を込めました^^。