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庭づくり

石橋

Hisibasi (3)

お寺にある六地蔵さん。
江戸時代に、地域の女性たちによって建立されたそうです。
そんな話を伺うと、おばあさんが手を合わせている姿が目に浮かびますが、この改庭の機会に、お年寄りが歩きやすい道にしてあげたいと思います。

Hisibasi.jpg

古い竹垣と飛石を撤去すると、左右に切り株が出てきました。
以前は、大きな杉の木の間を通って、このお堂にお参りしたのでしょう。
樹蔭に包まれていた風情に思いを馳せつつも、開放的な空間になった今、現状に合わせた道を考えていきます。

Hisibasi (1)

歩きやすくするためには、道幅を広く、凹凸を少なく、歩幅の自由が効くように。
幅が30㎝程度の飛石から、倍の幅を持つ石畳に変えていきます。
かつ、少し高くなっている左右の地盤に合わせるために、中央部を高くした、アーチ形の石畳を考えました。
雰囲気としては、太鼓橋のような形状。
そんなイメージで、石を畳んでいきます。

Hisibasi (2)

仕上がりました。
太鼓橋のイメージなので、横敷きの石は板張り、両側の縦の縁石は欄干を表しています。

Hisibasi (5)

横から見てみます。
橋に見えるかどうかはこの欄干があるかどうかに掛かっていますが、実はこの縦の縁石は、アーチ橋のイメージを伝えた時にいただいたご住職のアイデア。
起点と中央部では20cmほどの高低差ですが、この欄干のおかげでアーチだとわかります。

Hisibasi (4)

橋は『渡る』もので、『渡』には「さんずい」が付くように、海や川に掛かる道です。
そして、橋の向こうには目的地があり、手前の岸と向こう岸を繋ぐのが橋の役目。
お寺で「岸」とくれば『彼岸と此岸』ですが、『此岸』は、悩みや苦しみ、迷いの多い現実世界のことで、それを救ってくださるのがお地蔵さん。
「橋のような道」を提案した時に、ご住職からそんな話を伺いました。

この道は川に掛かる橋ではありませんが、仏教では、生死の迷いを海や川に例え、その向こう側にあるのが彼岸であり、悟りの境地なのだそうです。
常々、庭には「必然性」が大事だと思っていますが、ご住職からお話を聞いて、ここに橋をつくる意味が生まれたようです。


Hisibasi (6)

石を畳んでいる最中に、手元に舞い降りてきた蝶々。
せっかく来てくれたので、少し手を休めました。
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