紅葉山を行く小道の庭~宝勝寺さんの庭①
2019年06月18日

芽吹きの前に着工していた、宝勝寺さん(北秋田市)の庭園改修が完了しました。
今回手を入れさせていただいたのは、通路を挟んで向かい合う鐘楼(右)と地蔵堂(左)のある二つの区画ですが、完成後の様子を2回に分けてご紹介します。

まずは、鐘楼の前の庭。
大面積のサツキの寄せ植えを解体し、眺める庭から、歩きながら眺める庭に変えていきます。

既存の樹種に合わせて、モミジやカエデを補植。
土壌の浸透改善等で発生した残土を使って起伏をつくり、紅葉山を登っていく雰囲気に。
山道然とした飛石を挟んで対面する石は鳥のつがいのようにも見えますが、親鳥(左)の後ろにはヒナも続いています。

坂を登り切ると泉があり、道はさらに奥へと歩を誘います。

でもその前に、木漏れ日のベンチで一休み。

そこからは下り、木立を抜けた所にはお地蔵さんがいます。

緑に包まれたお地蔵さん。
ここから枯れ流れが始まっていることもあり、お地蔵さんは舟形の石に乗っています。

道はさらに下り、曲がりくねりながら進みます。

そして、いよいよゴール。

終点は始点でもあり、この庭の小道は、達磨さんの周りを回遊するようにつくられています。

鐘楼の上から見た景色。
ここから見ると、庭の構成がわかります。
小道は約40歩の散策ですが、進むごとに景色が変わるので、なかなかに楽しめます。

達磨さんの反対側は枯池。

少し引いて見ます。
右側が鐘楼ですが、この庭は四方から見られる作りになっています。
そして今回の改修で、今度は中から四方を望めるようになりました。
外から中から、いろんな角度から楽しんでもらえればと思います。
※作庭の詳細を、ブログカテゴリーの『庭づくり』の方で紹介しています(4月22日「モミジの移植」~5月20日「枯池」)。
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