FC2ブログ

Welcome to my blog

戯言

あの時の自分に見せてあげたい


「どうなるかわからない道を選ぶのはえらく勇気が要った。勇気を出したあの時の自分に見せてやりたい。」

放映中のNHK朝ドラ「スカーレット」で、求める色を出すために悪戦苦闘する陶芸家の主人公が、穴窯で何度も失敗を繰り返した末についに成功、知人への手紙にしたためた言葉。

『あの時の自分に見せてあげたい』。
実は、数年前に同じような心境になったことがあり、テレビの中の主人公と自身の経験がオーバーラップした。
それもやはり2月のことだったから、よけいに心に入ってきた。

以前に、『街路樹の人』という手記を書いたことがある。
2006年から2016年までの10年間の街路樹改善活動の記録で、それを書き終えたのが2016年の2月、HPで公開したのが1年後の2月だった。
下記は、公開にあたり、サイト運営者から記事の説明をと請われて書いた一文の一部。

『能代で産声を上げた街路樹サミットは昨年、東京で花開き、今年は大阪で。日本にはこんなにも街の木に思いを寄せる人がいることを、あの頃の自分に教えてあげたい。こんな未来が待っていることを、こっそり耳打ちしてあげたい』

周りに理解者が一人もいない中で、行政に物申していくには大きな勇気と覚悟が要った。
自分は正しいという揺るぎない信念はあっても、孤独の中で茨の道を切り開いていくのはやはり大変だった。
どれだけ頑張れば道が開けていくのか、この暗がりの中に光が差し込む時は来るのか、一銭にもならないことにこれだけの時間と労力をつぎ込むことに価値はあるのかと、そんな思いの中でもがき苦しんでいたから、『一生懸命頑張れば叶うよ』と、あの頃の自分に教えてあげたいという気持ちになった。

街からブツ切りを無くしたいという一念で始めた活動は、その12年後の市議会市長答弁で、『街路樹、公園樹、施設の樹木にブツ切りをせず、樹木を腐朽させない剪定を行う』という、街路樹の枠を超えた言を得るに至った。
この時もやはり、あの時の自分に聴かせてあげたいと思った。

勇気や覚悟は、誰でもない、自分自身が決断する。
その先に何があるのかはわからないけれど、選んだ道で夢を叶えるための努力をしていけば結果は得られる。
苦労しても実現しないのは、まだまだ苦労が足りなかったり、形にするための知識や技術が足りていなかったりということもあるだろう。
そして、自分に力がついたとしても、相手の理解が及ぶことにも時間が掛かる。
それが、12年という歳月だった。

心が折れて時々休んだけれど、干支が一回りする頃にいい結果が巡り来た。
街は今、冬期剪定の真っ盛り。
ブツ切りだらけだった12年前とは比較にならないほど、街の緑は美しくなっている。
そのことも、昔の自分に教えてあげたい。

gairojyu_no_hito.png
関連記事