石楠花原のお地蔵さん
2020年04月29日

お寺の石楠花が盛り。
群生する様が海原のようだった。
この石楠花原の向こうには、お地蔵さんが佇む。
花原は以前からあるが、ここにお地蔵さんが来られたのは昨年の花後。
だから、この光景はこれまでに無かった。
お地蔵さんは、ただそこにいてくださるだけでありがたい気持ちになる。
「ありがたい」は、『有ることが難しい』。
未曽有の国難と言われる今だからこそ、お地蔵さんの存在を有り難く感じる。
この「未曾有」は『未 (いま) だ曽 (かつ) て有らず』と読み、「これまでに無かったこと」、「有り得ないこと」という意味になる。
となれば、この石楠花の光景もまた未曽有で、未曽有だからこそ、有り難い。

お地蔵さんは、庭の峠道に佇む。
未曽有の事態も、いつか峠を越えるだろう。
その時を待ち、そっと手を合わせる。