雪吊り

雪囲いも中盤に入りました。
今年は例年に無く穏やかな日が続いているので、仕事もはかどります。
いつもだと、この時期は防寒着に長靴ですが、今年はまだ足袋を履けています。
ありがたいですね。

こちらの庭の木は、仕立て木とはいえ枝透かしをしていますので、本来、雪吊りは不要です。
が、雪吊りもまた雪国の庭の風物詩、冬の庭景色を楽しまれたい方の所にはやってあげています。
飾りではありますが、大雪に備えて、ちゃんと枝折れしないように吊ってあります。
千利休は、露地の飛石の打ち方を「渡り6分に景4分(実用が6で美観が4)、弟子の古田織部は逆に「渡り4分に景6分」と言ったそうですが、こちらの雪吊りは、景色の方が主体なので、「渡り4分に景6分」というところでしょうか。
景色が無くても人間は生きられますが、心は荒みます。
生活の中に、庭を楽しむための1分の余裕を持てれば、日々の暮らしも豊かになりますね。
われわれ庭師は、人々に心の豊かさを提供するために存在している、といえるのかもしれません。
この雪吊りの頭飾りは、植木屋さんによって違います。
こんな違いを見て歩くのも、冬の街を歩く楽しみですね。
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