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街の緑7 杜守Club

桜の土壌改良と花植え(のしろクリーンパートナー)

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閉園となって久しい富根保育園の桜並木。
もともとは富根小学校で、私自身も通った学び舎ですが、悲しいかな、花より団子の子供の頃は、桜の記憶が全くありません。
改めて見れば幹も太く、立派な桜たちです。

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そんな校庭の桜が園庭の木になり、やがてその保育園も閉じられて数年後の春、ふと目にした木の幹のモルタルに強い違和感を覚えました。
現代の樹木治療では空洞化した幹にこうした硬化剤を詰めることは無いと思いますが、一昔前まではこの工法が一般的。
幹の強度を高めることには多少の効果があっても、樹木の腐朽を止める事には至らないので、治療としての効果が薄いことが後年になってわかりました。
生き物に人工物が入っている姿はとても痛々しく、何とも気の毒に見えてなりませんが、この桜の幹にモルタルを詰めたのは、誰あろう、30年前の私自身。
役所の依頼だったとはいえ、あの頃はこのやり方が正しいとされていたとはいえ、この桜を見る度に自責の念が湧いてきます。
30年経つとモルタルもひび割れてきますが、これはこのままでもいいのだろうかと、樹木の管理者である行政に相談、一度樹木医さんに診ていただけないかとお願いをしました。
もちろん、行うべき対処が私にできることであれば、その作業は奉仕で行うつもりで。

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その数日後、役所の方が樹木医さんを現地に招いてくださり、ご指導をいただく機会を得ました。
かなり樹齢もいっている木なので、老化で樹勢が落ちていることは確かですが、モルタルが生育に支障をきたしているわけでは無く、無理に除去することで逆に木を傷めてしまう危険もあるとのこと。
それよりも、根元に車が乗り入れていることから、踏圧による土の硬化が心配だとのことでした。
持参した金棒を土に刺してみると確かに硬く、さてではどうするかと桜を囲んでみんなで思案。
手っ取り早い防止策としてはカラコンを置いたりロープを張ったりすることですが、『花を植えてみては?』という樹木医さんの提案が目から鱗。
花のカラーがカラコンの役目を果たし、花を植えることで土がほぐれ、かつ、景観も向上するという一石三鳥です。
これはいい案をいただきました。

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ということで役所に花を植えさせてほしいとお願いに行くと、「車が乗り入れるのは、冬に路面が雪で覆われてわからなくなるということもあるかもしれません。」とのアドバイス。
たしかにそうかもしれないと、このことも参考にしつつ、具体案を練りました。

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ということで、ボランティアの許可が得られたので早速作業。
まずは、硬く締まった土をほぐすために、土中に空気を供給するための有孔管を埋設します。
グライ化はしていませんが、やはり表層は硬く、下層は粘土質土壌。
1mほど掘り下げたところで、有孔管を立て入れました。

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管周りには、敷地に落ちている枝や石ころを木炭やバーク堆肥と一緒に詰め込んで、泥の浸入を防ぎつつ、発根を促します。

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根周りには、これも敷地にあった太めの枝を巻き、内側には小枝を詰め込んで土留め。

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そして、根周りの土をほぐしつつ、木炭やバーク堆肥を漉き込んで土壌改良。
管理課から提供いただいた桜の肥料も併せて埋め込み、土がやわらかくなったところで草花を植えていきました。

草花は、一年草を植えると毎年植え替える楽しみがありますが、そこに掛かる予算というものもあります。
また、木の下という条件もあり、日陰に強い多年草でかつ、植える草にも意味を持たせたいと、「富根」の地名にちなんで『富貴草』を選びました。
富貴草は当地にも自生する野草ですが、『吉事草』の別名もある縁起の良い草。
ただ、花があまり目立たないので、普通の草と間違われる不安もあることから、明るい斑入りの富貴草を植えました。

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役所の方から、「冬にわからなくなる」というアドバイスをいただきましたが、雪道の目印といえば紅白の竹です。
見本として、埋設した有孔管にステンレスの竿を立て込んでみましたが、地上に目印があれば車で踏まれる心配もなくなるでしょう。
有孔管は四か所ありますが、ここには看板も差し込めます。
富貴草の由来や地域の方が桜を管理していること、幹自体が傷んでいることから、将来的な老幹との交代を考えてひこばえを育てていることなどを知ってもらいたく、そうしたことを記した看板を設置できればとも思っています。

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こちらは、桜が咲いていた5月初めに園内で見た花壇。
みごとに咲き誇るチューリップの鮮やかさに感動して、思わず撮っていたものです。
閉園となった保育園で誰が手入れをしてるんだろうと思ってましたが、仕事帰りに富貴草に水をやりに行くと、近所のおばあさんが草取りをしている姿を見かけました。
『ご苦労さまです」と声を掛けて話をすると、保育園が閉じてからずっと、花壇の世話をされているとのこと。
桜を含めた園内の木も地域の人たちが手を入れていますが、ここに子供たちが来なくなっても、感謝の気持ちで学び舎の草木を守られていることに感動しました。

ここは、私にとっても母校。
今後も地域の方々のように、恩返しをしていければと思います。
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