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庭の設計

雨降ってイメージ固まる

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雨の日の下見。
昨秋に改築となった建物周囲の造園を春から設計中ですが、セットバックで生まれた軒下の空間利用として、敷地内にある飛石で園路をつくるという基本構想はできていました。
そしていざ本設計という段になり、具体的なイメージがなかなか降りて来ないという。
NHK朝ドラ「エール」の主人公が曲が降りて来ないと頭を抱えるシーンが時々出てきますが、創作をするという点では庭も同じで、何かが降りて来てくれるための切っ掛けをつくろうとジタバタします。
雨の庭を見に来るのも、そこにヒントが転がっていないかを探すため。

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そんなわけで雨の庭に佇んでいると、雨落ちが張り巡らされた建物脇に、水たまりを発見。

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庭の工事の中でこれも改良してあげられたらいいなと思いつつ周囲を見ると、すぐ近くに側溝があるので、最短距離で誘導するのが一番効率的でしょう。
ただ、実用的ではあるけれど、景色としてはどうか。
ただの排水路だと、庭としては面白くない。
この、タダで降ってくれる雨を有効利用する手立てはないものか・・・。

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などということを考えていたら、施主様から、「中から見てみませんか」という有り難い声。
廊下から見えるこの空間は不特定多数の人たちの目に入りますが、庭もまた、いろんな人たちに歩いてもらって、あちこちに座れる所があればというお話を聞き、それではここにベンチをつくりましょうかと、イメージが少し前進。
やはり、いろんな視点に立つと見え方が違い、そこで施主さんと話すことで、具体的なものが見えてきます。

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そして、こんなイメージが出来上がりました。
既存土には石ころがたくさん混じっていますが、整地や土壌改良で出る残土を盛って苔の山をつくり、その山を背もたれとして石のベンチを設置、落雪の直撃を受ける山の背面は石積みにして強度を持たせるという寸法。
出土する玉石はベンチの前に敷き詰めて景色とし、飛石は枯れ池の中の沢渡りにしようという案です。

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雨の日。
水たまりの水を枯れ池に誘導し、枯れ池が、雨の日だけに現れる池になるというイメージです。

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軒下に水がたまらないようにするために、この水を回り道させて、流れと池を通して排水させるという仕組み。

ということで、4か月がかりで原案が完成。
なかなか降りて来なかったアイデアが、雨と共に天から降りてきました。
雨降って地固まる、ならぬ、雨降ってイメージ固まる、です。
梅雨はまだ続く。
検討中の他の設計事案も、雨の日に出掛けてみようと思います。
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