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街の緑1(勉強及び視察)

弘前公園の中の白神山地

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ブナ林の中を浅くゆるやかに流れる野筋。
一見、山の中のようですが、街なかにある人工の杜です。
意外と知られていませんが、桜の名所として名高い弘前公園の中にあります。

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弘前公園には年に数回訪れますが、初めてこの杜に来たのは10年ほど前
当時はまだ樹木に支柱が付いているものもありましたが、今ではそれも外れ、木々も随分と太くなりました。

落ち葉の道の両側は地盤が高くなっていますが、木の根元が道側に曲がっているのがわかります。
こうした植え方は、雑木の庭に長けた人や山を知る人でなければできないので、津軽には相当な感覚を持つ人がいるということです。

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造営から30年近く経っていると思いますが、樹林はもう15m以上あります。
1本立ちの木が多いのは、人の手が入らない原生林であることを示しているのでしょう。
逆に言うと、株立ちの木が多い庭などは、萌芽更新を行う里山を表しているということです。

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木立と流れを側面から見たところ。
こんな所にホテルのロビーやラウンジがあったら素敵だと思いませんか。
この写真の範囲であれば、ちょっと広いお宅の庭などでは実現できるでしょう。
ウッドデッキを設けたりリビングの前に大窓を配したり、こんな大自然の雰囲気を住まいに取り込めれば最高です。

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雑木の雰囲気もそうですが、この流れにも惚れ惚れします。
流れは防水をするもの、コンクリートの上にきれいな砂利を敷いて水を流すものといった庭の観念からは生まれてこない造作ですが、ここは庭ではなく森で、白神山地を表す景色だからこその、この流れ。
弘前は大石武学流の伝統庭園文化が根付く街ですが、庭の常識を持った人にはこのような空間はつくれない。
土の上をそのまま水を流すということや、流れに縁を作らないという発想は、自然界では当たり前のことでも、庭の世界で育った人には、庭の技術を使わずにつくるということが難しいのです。

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よく、『作為を消す』とか『無作為の作為』と言いますが、この空間の作者はそうした感覚を持ち合わせていると感じます。
そんな人は秋田県でも会ったことが無く、初めてこの杜を訪れた時、ぜひ作者に会いたいと公園の人に訊いたことがありました。
園内の施設を訪ね尋ねていくと、なんとこの空間の作者は、当時の桜の樹木医さん
お話しをすると、この樹木医さんはもともとは野菜の専門家だそうで、庭の概念を持っていなかったからこそ、純粋に白神山地を見つめ、再現されようとしたのではないかと思います。

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杜の入り口。
ここから、空気がガラリと変わります。

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植物園を入った所にある看板。
園内には、白神山地に自生する樹木や山野草がいっぱい、有料ですが、それだけの価値はある所です。
興味のある方は是非。
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