手折枝の小道とケヤキのベンチ
2021年05月01日

庭づくりも佳境、配植を終えた木々に支柱が付きました。
雑木の庭は、やわらかな幹枝の線が命。
その味わいを殺さぬよう、支柱は地下に取り付けます。

植栽が完了すると、今度は坂道づくり。
砂分の多い土壌ですが、砂も歩けば締まって硬くなります。
硬くなると、豪雨時は坂道を水が走り、道を削る。
その対策として、道の途中に深い穴を数か所掘り、雨水を地中に浸透させます。

歩行面はある程度の強度が必要。
軽石と木炭、現場発生の玉石を詰め込んだ、踏んで歩ける浸透桝です。

道に浸透桝を埋設し、周囲の整地もできてきました。
これで完成にしてもいいのですが、踏圧防止のためにもうひと手間掛けます。

軽トラック一台分の小枝を搬入。
畑で2,3年寝かせた落葉樹の剪定枝を、ひたすらポキポキと手で折ったものです。

そしてその小枝を道に敷き詰めていく。

延長15mの山道が完成。
枝はクッションになり、地盤に伝わる重さも弱まる。
踏圧を軽減するための、手折枝の小道です。
バークチップの道はこれまでにもやりましたが、落葉樹林の庭には針葉樹の樹皮よりも落葉樹の枝の方が素材的に自然。
これから年を重ね、庭に落ち葉が降り積もれば、もっと自然に見えてきます。

そして、山道の途中にはひと休みできるベンチを。
石の無い土地に石の腰掛でもなく、山のような庭に人工的なベンチも違和感がある。
根株のような丸太がいいなあと思いつつ、杉でもないなと、ここは里山の落葉樹林なので、ケヤキの輪切りを置いてみました。
ケヤキは植えていませんが、この山の木を伐ってここに腰掛を置いたような雰囲気で。
自然でいながらも重厚感がありますが、重さもかなりあります。
「人生とは重き荷物を背負って坂道を登るようなもの」とは、かの徳川家康の言葉ですが、重いケヤキを抱きながら、ゆっくりと坂道を登りました。
家康の言葉の後には「急ぐべからず」と付きますが、あまりの重さに、急ぎたくても急げなかった(汗)。
ということで、工事も連休前に完成させたかったところですが、これも急ぐべからず。
丁寧に仕上げていきましょう。