県立体育館のプラタナスから
2021年11月23日

子どもの送迎で秋田市山王まで。
県立図書館前の交差点から県立体育館の方を見ると、見渡す限りのプラタナス。
この景観は偶然なのか意図したものなのか、体育館の外周も交差する市道・県道の街路樹もプラタナスで統一されているのです。
プラタナスは『学問の木』。
このエリアには文化・教養施設が多く、樹種選択にこの木の由来が関係しているとすれば素晴らしい。
五城目町などは計画的に町道・県道・国道の街路樹をケヤキで統一していますが、樹種選択にあたっては、町内の県・国道を管理する秋田県と町との連携があったと聞いています。
山王のこの一角は、体育館と県道が県管理で、市道は秋田市管理。
もしかしたら、管理の異なる複数の課の連携の元、この景観が生まれたのかもしれませんね。

体育館外周のプラタナス。

上のアップ。
枝先を切らずに長く残しているせいか、とてもやわらかな仕上がりです。
プラタナスの語源(プラティス:広い)にふさわしく、のびのびとした風情に好感が持てる手入れの仕方。

右に視線を移すと、県道には街路樹のプラタナス。
ちょうど、体育館のプラタナスと交互に植栽されているのがいいですね。
ただ、こちらは落ち葉対策なのでしょう。
秋口にはすでに、丸刈りになっていた気がします。
どちらも県の管理で、同じ視界に入るエリアの木。
体育館周りだけでも樹形や剪定方法が統一されれば、より調和の取れた景観になると思います。


こちらは市道のプラタナス。
左は昨年9月で、右は一昨日の写真。
秋田市内の市・県道はこの剪定が一般的ですが、今年は県議会と市議会で街路樹改善の提案があり、双方ともに、前向きな答弁が得られた模様。
幸い、体育館外周には良好なプラタナスがある。
これを手本に、市道県道の街路樹を改善されれば良いように思います。

こちらは、能代市総合体育館前のプラタナスの並木(市道)。
能代市では一昨年に、『市管理樹木(街路樹、公園樹、施設の木)にブツ切りを行わない』ことを市議会で表明していますが、写真は改善される前の姿。
この頃はまだ、秋田市の市・県道とほぼ同じやり方でした。

上の数年後。
能代市は2009年に街路樹を自然樹形で行うことを表明、まだ刈り込みではあるものの、少しずつ小枝が残されるようになってきました。

こちらは、2019年の3月。
市管理樹木にブツ切りをしないとの表明はこの年の3月議会でしたが、それを証明するかのように細い枝のブツ切りも無くなり、やわらかな仕上がりになってきました。
ここまで来れば、市外県外の専門家が見ても、自然樹形管理の言葉が嘘ではないことがわかるでしょう。

こちらは、通りに隣接する体育館のプラタナス(河畔公園)。
同じ月に、樹高を下げる剪定が行われました。
管轄課に多少のアドバイスをさせてもらいましたが、公園のプラタナスも街路樹のプラタナスもどちらも透かしなので、調和が取れています。
公園と街路樹の課は違いますが、「ブツ切りをしない」という市としての統一方針を持ち、施設の課も含めて関係課が連携する体制があるということが、街の木姿から伝わってきます。
県都の街の木も、いずれはそうなっていくのではないでしょうか。
『美(樹)の国あきた』の実現も近いのではないかと、大きな期待を寄せています。
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