樹木管理の仕様書と報告書
2022年03月29日

公共施設の冬期剪定が終了。
3件分の報告書を提出し、業務完了となりました。

添付は、公園や施設等の列植剪定(同樹種の並木)を行う時に使用している仕様書。
小規模な発注には仕様書が提示されない場合もあり、そうした時にはこちらが作成して見積書に付しています。
受注になれば、今度は事前事後の現場立ち会いをお願いし、仕様通りになっているかを見てもらいますが、適切な仕様書があり、行った剪定がそれに適っているかの確認がなされていれば、ブツ切りなどは起こりません。
逆に言うと、どのような剪定をするのかの具体的な指示が無く、担当者が現場を見に来ない時などに不適切な剪定が起こります。
街路樹などでブツ切りが多いのは、そうした確認体制ができていないからでしょう。
確認が義務化されていない仕事でも、業者の側から働き掛けることでミスを防げます。
下記は、ここ数年の報告書に記した仕様書と剪定の事例(桜)。






報告書は、業務をきちんと発注してその仕事がちゃんと行われたという証明ですが、「仕事をした証」というよりも、「次の人に活かしてもらう」という意識で作っています。
同じ植木屋さんが手入れを継続できる民間剪定と違い、公共工事は次にどの業者がやるか、誰が担当者になるのかわかりません。
業者や担当者が変わった途端にブツ切りになる時もあり、桜日本一の弘前公園などはそうした事態を防ぐために直営管理(業者発注をせず市職員が管理をする)をしてきたそうですが、報告書にも、管理方針を一貫させる役目があると思っています。

こちらは、専門書に書いた剪定事例。
ある意味これも仕様書ですが、発注の際、受注者に過去の報告書が提示されることはないと思うので、具体的な写真でポイントを示したりすれば、担当者や施工者に伝わりやすいのかなと思います。
図解入りの仕様書はありますが、カラー写真のものはまだ見たことがありません。
間違いを無くし、適正な樹木管理が継続されるためにも、公共剪定の仕様書にカラー写真などがあればいいですね。
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