自邸の暗渠
2023年05月14日
冬季は防寒養生で入れないマイカフェ、連休中に再開し、今年も朝のひと時を楽しんでいます。

作庭から7年経ち、背景隠しで植えた両端のモミジも順調に育って・・・
きていたはずが、今年は左側のモミジの芽吹きが芳しくありません。

こちらは昨年の今頃ですが、今年は上部の枝に葉が付けないでいます。

植栽当初の様子です。
庭全体の水はけが悪かったため、中央部に浅く溝を掘って庭下に水勾配を取り、モミジは掘削残土を盛った所に高植えして根回りに竹の通気管を設置していました。
溝の下には暗渠管も通していますが、真下に上水道管が出てきたためにあまり深さを取れなかったということが気掛かりとしてあります。
特に虫や病気が付いた跡も見られず、考えられるのはやはり、モミジの根が暗渠管よりも深く成長し、地下の停滞水位に侵入したのではないかということ。
また、暗渠管の始点は地下にあったため、通気管としての役目が不十分であったことも考えられます。

ということで、連休最終日に掘削調査を開始。
モミジの周囲を掘ると、地下30cmで水が湧いてきました。
水下に穴を掘ると上の穴の水が移ってきて、穴の中で上昇します。
地下水位は暗渠管より20㎝低い所にありますが、ここに縦管を添わせていれば上昇水が横管(暗渠管)に入れたのか、とも思いますが、水は暗渠管の高さまでは上ってこれず。
ということは、この暗渠は表面排水の対処にしかなっていなかったということでしょう。
というよりも、地下10cmまで水位が上がる状況というのは田んぼのようなもの。
まさに、昔は田んぼだった所ではありますが、この機会に改善しなければ。

穴の間隔をもう少し狭めてみます。
土が軟らかければ水は土中を移動できますが、ここは粘性が強いので穴の壁を破れません。
上で、水上の穴の水が移ってきたと書きましたが、これは、掘った穴が地下水位に到達したために周囲の水が集まってきたという状況です。

ということで、今度は、水が上昇している上の穴から下の穴に向けて、斜めに金棒を差し込んでみます。
貫通すると、水は少しずつ移動しました。
ということは、水下まで開けた穴の全部を貫通させれば水は抜けるということで、これはやはり、暗渠をつくらなければならないということでしょう。


流れ始めました。

一週間後。
溝の水が抜けていたのを確認して、有孔管を設置。
古ヨシズと軽石を床にして、管回りに木炭と軽石を詰めています。

地下への酸素供給と泥の侵入防止のため、掘削土は戻さずにガラや瓦チップを敷き、その上に伐採幹や剪定枝を載せて完了。
これで、モミジも少し楽になるでしょう。
家にある物だけで作った荒っぽい仕事ですが、自邸なのでこれでよし。
まずは機能させることを優先します。
自邸の庭は、現場で活かすための実験でもあります。
公園や施設等、水はけの悪い所への植栽にはよく酸素管(縦管)が設置されますが、それでも枯れているのを見かけます。
これは、地下の停滞水位が高ければ縦管だけではいずれ限界が来るということで、土をかなり高く盛って植えるか、地下の水はけをきちんとやらなければならないということです。
地下に浸透層が無い場所で樹木を育てるには、万全な暗渠が必要。
自邸のモミジから、あらためてその大切さを学んだ思いです。

作庭から7年経ち、背景隠しで植えた両端のモミジも順調に育って・・・
きていたはずが、今年は左側のモミジの芽吹きが芳しくありません。

こちらは昨年の今頃ですが、今年は上部の枝に葉が付けないでいます。

植栽当初の様子です。
庭全体の水はけが悪かったため、中央部に浅く溝を掘って庭下に水勾配を取り、モミジは掘削残土を盛った所に高植えして根回りに竹の通気管を設置していました。
溝の下には暗渠管も通していますが、真下に上水道管が出てきたためにあまり深さを取れなかったということが気掛かりとしてあります。
特に虫や病気が付いた跡も見られず、考えられるのはやはり、モミジの根が暗渠管よりも深く成長し、地下の停滞水位に侵入したのではないかということ。
また、暗渠管の始点は地下にあったため、通気管としての役目が不十分であったことも考えられます。

ということで、連休最終日に掘削調査を開始。
モミジの周囲を掘ると、地下30cmで水が湧いてきました。
水下に穴を掘ると上の穴の水が移ってきて、穴の中で上昇します。
地下水位は暗渠管より20㎝低い所にありますが、ここに縦管を添わせていれば上昇水が横管(暗渠管)に入れたのか、とも思いますが、水は暗渠管の高さまでは上ってこれず。
ということは、この暗渠は表面排水の対処にしかなっていなかったということでしょう。
というよりも、地下10cmまで水位が上がる状況というのは田んぼのようなもの。
まさに、昔は田んぼだった所ではありますが、この機会に改善しなければ。

穴の間隔をもう少し狭めてみます。
土が軟らかければ水は土中を移動できますが、ここは粘性が強いので穴の壁を破れません。
上で、水上の穴の水が移ってきたと書きましたが、これは、掘った穴が地下水位に到達したために周囲の水が集まってきたという状況です。

ということで、今度は、水が上昇している上の穴から下の穴に向けて、斜めに金棒を差し込んでみます。
貫通すると、水は少しずつ移動しました。
ということは、水下まで開けた穴の全部を貫通させれば水は抜けるということで、これはやはり、暗渠をつくらなければならないということでしょう。


流れ始めました。

一週間後。
溝の水が抜けていたのを確認して、有孔管を設置。
古ヨシズと軽石を床にして、管回りに木炭と軽石を詰めています。

地下への酸素供給と泥の侵入防止のため、掘削土は戻さずにガラや瓦チップを敷き、その上に伐採幹や剪定枝を載せて完了。
これで、モミジも少し楽になるでしょう。
家にある物だけで作った荒っぽい仕事ですが、自邸なのでこれでよし。
まずは機能させることを優先します。
自邸の庭は、現場で活かすための実験でもあります。
公園や施設等、水はけの悪い所への植栽にはよく酸素管(縦管)が設置されますが、それでも枯れているのを見かけます。
これは、地下の停滞水位が高ければ縦管だけではいずれ限界が来るということで、土をかなり高く盛って植えるか、地下の水はけをきちんとやらなければならないということです。
地下に浸透層が無い場所で樹木を育てるには、万全な暗渠が必要。
自邸のモミジから、あらためてその大切さを学んだ思いです。