作庭進捗
2023年05月28日

作庭進行中。
地盤造成をしながら、足の踏み場の無い所に足の踏み場をつくっていきます。

平坦だった庭に、園路と起伏ができてきました。
マンホールはいつでも点検できるよう、既存のシダを鉢植えにして置いています。
周りに下草を植えれば、ここにマンホールがあることがわからなくなる。
そうなればいいなあ、と思いながら。

伝いの締めは、既存のグリ石を活かした延段。
元々は縁石だったものを、面を変えて畳んでみました。
大判は飛石と同質ですが、この部分は、グリ石の色に合わせて経年変化したものを合わせています。
そんな中にある白い石は取り外しが可能。
この下にもマンホールがあるので、点検時にすぐわかるようにしています。

グリ石は深く差し込んでいるので、モルタルを使わない土ぎめ。
はじめてお目に掛かる石ですが、なかなか味があります。

残ったグリ石は土留めの石積みに。
縁石と延段と石積み、同質同大の石でも、用途が違うと石の選び方も違います。
面を変えながらやってみましたが、何とか形になったようです。
庭の模様替えをする時に思うのは、作られた方がご家族でも庭師さんでも、その思いに敬意を持つこと。
『庭に苦労を込める』と言われた名人がいましたが、石山から素材を選んできた時の苦労、現場に大量に持ち込んで厳選しながら作る苦労、ライン取り、面の合わせ方、強度、個々の石の個性と全体の繋がりはどうか、そんなことを考えながら苦労して作り上げた時の喜び等、作られたものにそうした苦労を感じるので、どんな使い方をすれば新たな庭に活かせるかということを一生懸命考えます。
全て使い切ることができると、なにか責任を果たせたような、ホッとした気持ちになるのでした。
ということで、今週は植栽に向けた土壌改良。
大汗、筋肉痛必死の仕事が待っています。