君の名は~ミヤマヨメナかミヤコワスレか
2023年06月16日

温泉の廊下を歩いていると、裏山に青い花の群生が見えました。

この感じは、昨年の今頃に見た、中尊寺の白い花の群生に似ています。
お寺さんの話では、この花はミヤコワスレ。
花色は違いますが、どちらも林の斜面に咲いていて、開花の時期も同じ。
そして、群生しているという共通点があります。

温泉の方に訊いてみると、花の名前はわからないけれど、周囲のあちこちで見かけるとのこと。
教えてもらった所に行くと、そこには淡青色の花が一面に咲いていました。

拡大してみます。
ミヤコワスレのようにも見えますが、この温泉が奥深い山にあることを思うと、原種のミヤマヨメナと考える方が自然でしょうか。
ただ、ミヤコワスレは色の濃いミヤマヨメナを改良した園芸種で、江戸時代からあるもの。
ここにソメイヨシノ(江戸時代の改良種)があることを思うと、自生なのか人が植えたものが増えたものなのかはわからず。
ということで調べてみると、大学の研究報告にたどり着き、ミヤマヨメナの北限は秋田県とのこと。
この花が自生のミヤマヨメナであれば、県境に近いここが北限かもしれない・・・

などと勝手な期待感を持ちながら帰途に着くと、芝谷地湿原の看板が目に入り。


散策してみると、なんとここにも咲いてる!


左が温泉で、右が湿原の花。
同じなのか違うのか、ミヤマヨメナなのかミヤコワスレなのか。
ミヤコワスレの方が花色が濃く花弁が広いそうですが、残念ながら、素人にはよくわからない。
ただ、この湿原は国の天然記念物。
勝手に植えることはできないので、自生種である可能性が高い。
でも指定が昭和11年だから、それ以前に持ち込まれたということも考えられます。
湿原の管理者は大館市。
その足で訊きに行くと、湿原の植物リストを見せてくださいました。
ただそこには、ミヤマヨメナもミヤコワスレも無く。
湿原というよりも、湿原周囲の山に咲いていたものなので、リストに入ってないのかもしれません。
ということで、県の専門部署に訊いてみるも、やはりわからず。
君はいったい誰で、北限はどこなんだ?
これはもう、牧野富太郎博士に訊くしかないでしょう。
それも無理なので、いつか山野草のガイドさんと山を歩いてみたいものです。
※もし写真で判別の付く方がおりましたら、ぜひこの花の名をお教えください。