『北限のミヤマヨメナを探して』(全編)
2023年09月07日
十和田図書館に続き、二ツ井図書館に展示されていた「大人の自由研究」。
このほど展示が終了しましたので、こちらで全編を公開したいと思います。
(画像クリックで拡大できます)

偶然か必然か、『らんまん』放映中に出会ったミヤマヨメナという花に魅かれ、北限探しの旅に出た記録ですが、二ツ井図書館にある二ツ井町史には、牧野富太郎博士がイワヤシダを見に当地に来られた記録も載っています。
暖地性のイワヤシダがなぜ雪深い二ツ井の山に生えているのか、その謎も興味深く、温暖だった縄文前期に北上した植物が、その後の寒冷化で絶滅していく中、イワヤシダだけがスポット的に生き残ったようです。
何か、ロストワールド的で、このシダが恐竜のように思えてきました。
関連図書を見ると、その後に調査をされた地元の研究者同士の会話も載っていて、「自生地の場所を人に教えてはいけない」という話が出てきます。
それが守られているからなのか、町内にある「日本一の杉」のように見学できるようにはなっておらず、山仕事をする地元中の地元の人か、研究者しか知らない山中でひっそりと生きているのでしょう。
「非公開=採掘防止=保護」という観点から、絶滅危惧種などの珍しい植物は、専門書などでもあえて自生地の所在を明かさないようですが、ミヤマヨメナ研究の第一人者である元静岡大学教授の重岡先生(レポート№2の経緯3に登場)は、公開をして保護に結び付けるべきだとの立場を取っています。
私自身はどうかというと、鹿角に北限のミヤマヨメナを探しに出かけた時、地元の人にもあまり知られていなかったことについて、この花を観察していた「鹿角の牧野富太郎」と言われた偉人の存在と合わせて、少し寂しい思いがしました。
誰も知らないと忘れられてしまう。
観光化で荒れるのは困りますが、「知る人ぞ知る」ぐらいで伝わっていくのはいいのかなと思っています。
この、鹿角の偉人さんは米田博先生ですが、先生は著書で大湯のミヤマヨメナについても触れており、自生地が武家屋敷跡であったことからも、原種とするには疑わしい面もあると述べています。
ではなぜここが北限とされて県の分布図にも載っているのだろう(秋田県植物分布図 第二版 2000年)。
ここで、原種とした根拠は何だろう。
研究者でも、原種と園芸種(ミヤコワスレ)の判別は難しいとのこと、でも今は、DNA解析で判るのだそうです。
解析をして、本物かどうかを解き明かし、本物の自生分布図を作ればいいのではないか。
と、素人は思うのですが、それが進まないのはなぜだろう。
などと、ミヤマヨメナ(深山嫁菜)の謎は、深山の如くますます深まるのでした。
私の自由研究はひとまず終わりですが、来年は、能代のどこかで咲いているらしいこの花に、そっと出会いたい。
そして、古都の社寺にミヤコワスレが咲いている由来も知りたい。
ということで、何かわかればまた、ブログに書くかもしれません。
※記事中のリンクに無い関連記事はコチラ⇓
「君の名は~ミヤマヨメナかミヤコワスレか」
「花波草波」
「ミヤコワスレ」
このほど展示が終了しましたので、こちらで全編を公開したいと思います。
(画像クリックで拡大できます)











偶然か必然か、『らんまん』放映中に出会ったミヤマヨメナという花に魅かれ、北限探しの旅に出た記録ですが、二ツ井図書館にある二ツ井町史には、牧野富太郎博士がイワヤシダを見に当地に来られた記録も載っています。
暖地性のイワヤシダがなぜ雪深い二ツ井の山に生えているのか、その謎も興味深く、温暖だった縄文前期に北上した植物が、その後の寒冷化で絶滅していく中、イワヤシダだけがスポット的に生き残ったようです。
何か、ロストワールド的で、このシダが恐竜のように思えてきました。
関連図書を見ると、その後に調査をされた地元の研究者同士の会話も載っていて、「自生地の場所を人に教えてはいけない」という話が出てきます。
それが守られているからなのか、町内にある「日本一の杉」のように見学できるようにはなっておらず、山仕事をする地元中の地元の人か、研究者しか知らない山中でひっそりと生きているのでしょう。
「非公開=採掘防止=保護」という観点から、絶滅危惧種などの珍しい植物は、専門書などでもあえて自生地の所在を明かさないようですが、ミヤマヨメナ研究の第一人者である元静岡大学教授の重岡先生(レポート№2の経緯3に登場)は、公開をして保護に結び付けるべきだとの立場を取っています。
私自身はどうかというと、鹿角に北限のミヤマヨメナを探しに出かけた時、地元の人にもあまり知られていなかったことについて、この花を観察していた「鹿角の牧野富太郎」と言われた偉人の存在と合わせて、少し寂しい思いがしました。
誰も知らないと忘れられてしまう。
観光化で荒れるのは困りますが、「知る人ぞ知る」ぐらいで伝わっていくのはいいのかなと思っています。
この、鹿角の偉人さんは米田博先生ですが、先生は著書で大湯のミヤマヨメナについても触れており、自生地が武家屋敷跡であったことからも、原種とするには疑わしい面もあると述べています。
ではなぜここが北限とされて県の分布図にも載っているのだろう(秋田県植物分布図 第二版 2000年)。
ここで、原種とした根拠は何だろう。
研究者でも、原種と園芸種(ミヤコワスレ)の判別は難しいとのこと、でも今は、DNA解析で判るのだそうです。
解析をして、本物かどうかを解き明かし、本物の自生分布図を作ればいいのではないか。
と、素人は思うのですが、それが進まないのはなぜだろう。
などと、ミヤマヨメナ(深山嫁菜)の謎は、深山の如くますます深まるのでした。
私の自由研究はひとまず終わりですが、来年は、能代のどこかで咲いているらしいこの花に、そっと出会いたい。
そして、古都の社寺にミヤコワスレが咲いている由来も知りたい。
ということで、何かわかればまた、ブログに書くかもしれません。
※記事中のリンクに無い関連記事はコチラ⇓
「君の名は~ミヤマヨメナかミヤコワスレか」
「花波草波」
「ミヤコワスレ」
- 関連記事
-
-
『北限のミヤマヨメナを探して』(全編) 2023/09/07
-
大人だって調べたい!(二ツ井図書館の展示から) 2023/08/12
-
「みどりの文庫」特別展 2023/07/07
-
『街路樹サミットin立川』&群馬直美展『街路樹葉っぱの詩』のご案内 2015/11/17
-
巨木の街路樹写真展を開催します 2013/08/09
-