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木の生理と空間制限、景観美は両立できるか(イチョウの冬期剪定から)

2024年02月10日
冬季剪定
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10年ほど前に樹高を下げたイチョウの木。
断幹等、大きな剪定をした後は木を数年休ませ、養分不足を補うために出てくる幹吹枝を残しますが、その大役を果たしてきた3本の小枝が成長し、剪定時の樹冠を超えました。
おかげで木の体力も十分回復したことでしょう。
数年ぶりに手を入れて、樹高調整をすることになりました。

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剪定前後。
樹冠内を直上する枝や周囲の建物に障る枝、接触を起こしている枝等を外しています。
樹高も1mほど下がりました。

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剪定した枝。
枝は幹元から外しているので、3~4mの長さがあります。
今回は8本抜いており、残した枝はその倍。
切り過ぎによる異変を防ぐため、剪定量は1/3程度にとどめています。

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幹から伸びるやわらかな枝。
途中で切り詰めていないので、枝の流れが自然です。
これが野透かしの妙味で、懐の小枝も残しているのでやわらかさが助長されます。
逆に言うと、街路樹のイチョウなどは、ブツ切りでなくとも、枝の太さが極端に変わるタイプが多く、内部の小枝も切ってしまうために雰囲気も硬くなり、暗がりで見ると太くて短い枝しか見えません。
樹木の手入れは、シルエットになった時に美しいのが理想。
このイチョウは街路樹とほぼ同大、道路同様の空間制限もありますが、四方均等に揃えず、伸ばせる方向に伸ばすという考えでやれば、ある程度の自然味は確保できます。

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全景です。
前後に建物と通路、樹上には大きな木、隣にモミジの木が2本あります。
旺盛に伸びるイチョウに遠慮しがちなモミジに空間を譲りつつ、3本で林冠を形成するような調整をしています。

剪定の基本は、『切る時期,切る位置、切る量』と言われます。
こうした樹木の生理と人の暮らしを両立させつつ、樹木の個体美や空間美も叶える。
そんな手入れができていけばと思います。

202402icyou (2)

制約がある中でも、のびのびと。

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FUKU
Author: FUKU
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