杜の木漏れ日

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緑のトンネル

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先日、奥入瀬から八甲田に向う途中、思わず車を止めて見た景色です。
圧倒的な緑量を誇るブナ林の緑のトンネル。
枝が中央線を越えて反対側まで伸びている所もあります。

これを見て思ったこと。
これって、街路樹の理想的な形だよなあ。
ここは国立公園内の山間の道ですが、道の両側に木があるということでは街路樹と同じです。
違うのは、人が植えた木ではなく、自然の林だということだけ。

何をもって人が道に木を植えるのか、街路樹の目的が緑の潤いや緑陰ならば、目指すのはこのような姿ではないかと思いました。

 中央線まで張り出すケヤキのトンネル 街路樹の木陰が町民の憩いの場に っ五城目町

それを実践しているのが、五城目町のケヤキの街路樹です。
枝を中央線まで伸ばしている姿を見ると、景観や木陰のために木を植えているということがわかります。
国道、県道、町道ともケヤキで統一されている街並みは本当に美しい。
ここでは夏祭りが行なわれていますが、こんな姿からも、町の人々が緑の恩恵を暮らしの中に取り込んでいる様子がうかがえます。

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ここは、私が好きな能代市市民プール前のイチョウの並木です。
ここのイチョウはほとんど手が付けられていないせいか、イチョウらしい、素晴らしい自然樹形になっています。
このまま枝を張らせていけば、理想的な緑のトンネルになるでしょう。

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こちらは、先日、支障枝の剪定が行われた二ツ井町のイチョウの街路樹。
この街路には電線がありませんので、車や歩行者に障る下枝を払うだけで十分、数年後には緑のトンネルにできるかもしれません。

街路の木の大きさや樹形を決めることを景観目標というそうですが、単に木が伸びたから剪定するというのではなく、ここの街路樹をどのような姿にするのかという方針を立てることが大切で、それが決まれば、おのずと管理法は決まってきます。
一般的な街路樹の剪定は住民の苦情を受けて行うというレベルですが、この街路の景観と街路樹の目的を果たすための必要最小限の手を入れるということでいいのではないかと思います。
この街路には朝市も立ちますし、通りの向こうには公民館もあり、小中学生も通ります。
街路樹は市民の生活に密接に根ざした街の庭、この木から、奥入瀬のブナ林のような大自然を感じることができるのです。
木と人の暮らしが共生できるよう、これからも大切にしていきたいですね。

Comments 4

紅の葉  

すずちゃんさんへ

こんばんは。いつもコメントありがとうございます。

>遠い昔から、人間と自然は一体だった
自然はもともとは「じねん」で、「しぜん」と読むようになってから、人と自然が切り離されていったという話を聞いたことがあります。
人間も自然の一部、まさに、「自然とともに生きている」ですよね^^。

能代の街路樹の剪定は、国県市道とも、見違えるように変わりました。
ただ、今年剪定されたばかりの木を見ると木陰の量がもう少し欲しいなというのが正直な印象、剪定した時の樹形美だけではなく、夏の木陰を想定した枝葉の量の確保に留意すれば、もっと能代の街の緑は良くなるのではないかと思って見ています。

>『こんな剪定の仕方なんだなぁ』と肯定して受け入れていました。
この一文を読み、すずちゃんさんは本当に優しい方だなと思いました。
一般の方々が、役所の行なうことに対して何か提言するには、それなりの知識も必要ですし、かなりの勇気が要るのではないかと思いますが、「プロ」と呼ばれる専門業者でさえ、ふるさとの街の木が瀕死の状況にあるのを見過ごしてきたところがありますので、我々業界も大いに反省しなければなりません。
また、ブツ切りを推進してきた行政には業界以上に反省し、二度とこのような事態が起こらないような体制作りを進めてもらいたいと思います。
「むごい」剪定が行われてしまう背景には、「木が生き物である」という意識の欠如が、一番の原因ではないかと思っています。
我々植木屋も、日々の仕事から、切るということに慣れ、剪定が木の命の一部を切り取っているのだということを忘れがちです。
行政市民業者、能代の方々の全てが、木も人間と同じく、自然の中でともに生きる命ある生き物なんだ、という思いを持てるようになれたら素敵ですね。
そんな日を夢見て、これからも頑張りたいと思います。

2010/08/18 (Wed) 21:16 | EDIT | REPLY |   

すずちゃん  

こんばんは。
本当に緑の美しさに感動します。
緑と水の流れなど、人間の心を癒してくれますね。
遠い昔から、人間と自然は一体だったのですよね。

能代でも、いつか、むごい剪定の銀杏がありましたよね。素人ととは悲しいかな、それを見て、『こんな剪定の仕方なんだなぁ』と肯定して受け入れていました。
どうか、プロの紅の葉さんたちが、樹木を大切に、私達に教えて欲しいと思います。

2010/08/18 (Wed) 00:33 | EDIT | REPLY |   

紅の葉  

oyabinさんへ

街路樹の苦情の中の第一番はやはり落ち葉のようですが、街中の高齢化が進み空き家も増える中、近隣の方々にとっての落ち葉掃除は本当に切実な問題です。
しかしこれも、落ち葉がゴミだという意識から起こるものだと思うので、落ち葉の状態が汚いものではないという意識付けが必要かもしれません。
また、なぜ街に木を植えたのか、街に木があることでどんな効用効果があるのかが十分に伝わっていないことからくる誤解もあるようですので、我々、緑に携わる者が率先して緑の大切さを伝えていくことが今、求められているようです。
ブログで書くことは小さな発信に過ぎないかもしれませんが、大海も一滴の滴から、日本中の街の木が美しくなれるよう、声を高めていきましょう!

2010/08/17 (Tue) 17:16 | EDIT | REPLY |   

oyabin  

最近暑い日が続いておりますが
熱を吸収するという意味でも
街路樹植栽は必要だと思います
岩手でも葉っぱが落ちて大変だという人がいますが
それ以上の緑の効用は沢山あると思います

2010/08/17 (Tue) 09:19 | EDIT | REPLY |   

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