杜の木漏れ日

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街路樹葉っぱの詩

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今日、現地調査に出かけた秋田市で、偶然見つけた本。

タイトルは「街路樹葉っぱの詩」。
表紙のカバーには「耳をすますと葉っぱのひとり言が聞こえます。」とある。
裏には「あなたも街路樹を探しに行きませんか」。

何気に手に取りパラパラと2,3ページめくったら、それだけでなんだか癒されてしまった。
ついさっきまで抱えていたストレスが、スーッとどこかへ消えて行った。
逃れたくても離れることができなかったトラウマもいなくなった。
反骨の支えだったストレスやトラウマの元が、なんだか今はどうでもいい気分なのだ。

本の隅々から、木が大好きだ、街路樹が大好きだという作者の思いを感じる。
それでいて、押し付けがましい熱苦しさが微塵も無く、読んでいて(見ていて)逆に愉快になる。
この本は、植木屋である自分に仕事を忘れさせてくれた。
人として、純粋に街の木と向き合える本だ。


この本の著者は、日本でただ一人の葉画家(ようがか)、群馬直美さん。
押し花ではないかと見間違うほど繊細な葉っぱの絵と、鉛筆画のような街並みの絵。
街並みの絵には建物と街路樹が描かれているが、木だけに色が付いているのが面白い。
街なかで見過ごされがちな街路樹にスポットが当てられているようで、「私はみんなのそばにいるよ」という木の声が聞こえてきそう。

このような絵を見るのは初めてなので、とても新鮮だった。
外苑のイチョウや表参道のケヤキなど、自分も実際に見たことのある景色もあるけれど、他の絵からもなんとも言えない懐かしさを感じるのが不思議。

絵には、木や通りの紹介と、その木にまつわる作者のエッセイも付いている。
始まりはイチョウから。
イチョウの由来では別名を「公孫樹」ということを紹介、孫の代にならなければ実が付かないこの木の性質に対して、「自分は恩恵にあずかれないが、先代の行為を受け継ぎ、実りを次代に差し出す…深くて美しい名」とある。

そうなのだ。
今の我々の活動は、能代の偉大な先人たちが目指した緑の街への思いを受け継ぎ、次代の子供たちへと引き継ぐためのものなのだ。

優しく楽しい言葉と美しい葉っぱの絵、妙に懐かしさを覚える街並みの絵に、心がだんだんと軟らかくほぐれていく。
まるで、何かの呪縛から解き放たれるかのようだ。

道が見えてきた気がする。
まっすぐしか見えなかった視界が少し広がってきたようだ。
絵の力、木の力、本の力とはすごいもんだ。

群馬直美さんのHPを見てさらにビックリ。
サイトの名前は「木の葉の美術館http://www.wood.jp/konoha/index.html」。

なんだか、めぐり合わせとしか言いようが無い。
今日の日の出会いに感謝します。

Comments 2

紅の葉  

鈴ちゃんへ

葉画家というジャンルがあることを、私も今回初めて知りました。
日本でただ一人ということは魁であり草分けであるということですね。
私はあまり絵のことはわからないのですが、知らずに癒されている自分がいました。かの相田みつをさんは、「感動とは感じて動くこと」と言われてましたが、この本を見つけたその足で動きました。この本は、動くことを躊躇していた私の後押しをしてくれたのです。
鈴ちゃんのように絵がわかれば、私ももっと深くこの本のよさを理解できるんだろうなと思いますが、今はまだ「あ~、なんかいいんだよなあ~」という程度です。
先生に申し訳ないですね^^。

2011/02/10 (Thu) 20:59 | EDIT | REPLY |   

鈴ちゃん  

葉画家という職業

時々、絵手紙を描いていますが、確かに葉っぱって、良く画材にさせてもらうんです。

新緑のプラタナス、紅葉の桜、つた、木の実等、、、。

一枚の葉っぱに『芸術』を感じますよね。
自然からの贈り物と思います。

葉っぱだけを描く仕事があっても不思議ではないと、なにか感動しました。

2011/02/10 (Thu) 07:20 | EDIT | REPLY |   

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