杜の木漏れ日

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さくらフォーラムに参加して その1

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先週聴講してきました「さくらフォーラム」のレポートが、今日の北羽新報に掲載されました。
掲載は上・下の2回となります。

参加のご報告も兼ねて、以下に原文と写真をご紹介いたします。

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さくらフォーラムに参加して ―弘前方式から学ぶ能代方式のあり方― 上

弘前方式の剪定法を紹介した「さくらフォーラム」(上)

2月22、23日と、青森県弘前市で行われた「さくらフォーラム」を聴講してきました。このフォーラムは弘前城築城400年の記念事業として弘前市が主催、弘前城公園の桜の歩みや弘前方式での桜管理法の紹介に加えて、著名な樹木医の方々による日本全国の桜管理の現状や課題を考えるパネルディスカッション等内容も濃く、桜日本一の弘前の技や理論を学べる絶好の機会となりました。桜に関するセミナーへの参加は一昨年の全国桜サミット(角館)に続き二度目ですが、今回は他県での開催にもかかわらず、地元能代山本の行政関係者の方も参加されていたことはとても嬉しいことです。

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(剪定見学会の様子)

講演と併せ、公園職員の方々や青森県樹木医会の指導による剪定実技の講習会も行われましたが、この日は日本一の弘前の技を実際に見れるとあって、県内外から多くの見学者が訪れていました。剪定技術は職人の感覚的なものと思われがちですが、弘前の技術はしっかりした理論の上に成り立っていますので、一般の方々にもとてもわかりやすかったのではないかと思います。
会場のあちこちでは、本格的な樹木医の技術に熱心に聞き入る造園関係者の姿も見られ、新たなことや本質的なことをどんどん取り入れていこうという意欲ある同業の存在には、同じ世界に生きる者として強い共感の念を抱きます。長い年月を掛けて弘前の技が日本一となっていったように、私たちもまた、ここで教えていただいた技術を自分の技として昇華できるよう精進し、地域に還元していきたいと思いました。

弘前の凄いところは、「桜切るバカ梅切らぬバカ」の言葉に象徴されるように、桜は切ってはならないとされてきた園芸界の定説を覆し、腐りの入りやすい桜を剪定によって管理するという独自の技と理論を確立したことです。「弘前方式」と呼ばれる独特の管理法は、リンゴと桜の特性に多くの共通点があることに着目し、地元に根付くリンゴの剪定技術や施肥の方法を桜管理に導入、老枝を若枝に更新することで木の若返りを図り、剪定と施肥をセットにすることで樹形や樹勢をコントロールしていくというものです。

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(施肥と土壌改良の様子。土壌改良の掘り上げには根の損傷防止と効率化のため、エアースコップを導入)      

これは、桜は腐りやすいというマイナス面の特性よりも、成長が早く幹の再生能力が高いというプラス面に目を付けたものですが、腐朽しやすい桜を腐朽から守るための剪定法や、空洞化した幹に不定根を発生させて地下に導くという樹勢回復法、あるいは、剪定によって掛かる木への負担を施肥や土壌改良によって補っていくというやり方には最新の樹木医の技術が導入されています。園内には寿命130年クラスのソメイヨシノが数多く存在していますが(ソメイヨシノは一般的に樹齢70年ほどと言われています)、この老木たちが毎年のように満開の花を咲かせているという事実が、その技術の確かさを証明してくれています。

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(弘前方式の管理法により、古木の桜にも通常の1、5倍ほどの花芽が付き、寿命も延びる)

今回のフォーラムは市県の関係者にもご案内させていただきましたが、これは、腐りの入りやすい桜を腐りの入りにくい剪定法で行うという弘前の技術を学ぶことで能代の緑化管理にも活かしていだきたいと思ってのことで、桜剪定の理論や技術を覚えればたいがいの樹木は剪定できるようになり、より木の生理に配慮した優しい剪定を行うことが出来るようになるということからでした。
市内の街路樹や公園樹には枯枝や切り残し枝がかなり目立ちますが、それをそのままにしておくと内部にまで腐朽が進み、やがては幹や枝の空洞化を招きます。空洞化が進むということは幹や枝の強度が落ちていくということで、強風などによる落枝や倒木に繋がり、市民の安全に関わってくるということです。この現象は枝の太細に関係なく起りますので、細い枝だからと手を抜かずに、きちんと対処することが大切です。

IMGP0620.jpg 枝を切り残したことで樹皮が再生できず幹に腐朽が入ったプラタナス 
(切り残し(剪定残し)はきちんと処理することが大切。切り残したことにより幹の内部にまで腐朽が進行したプラタナス)

弘前城公園ではこのような小さな気遣いがごく当たり前のこととして行われていますので、桜の咲かない時期に訪れる時などはこのような所も気を付けて見て歩くと、桜日本一の技の素晴らしさを感じることが出来ると思います。

二ツ井町 緑の景観を考える会 福岡 徹


※ 弘前城公園の桜については、以前のブログでも紹介しています。→http://konohanoniwa.blog61.fc2.com/blog-entry-154.html

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