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秋田県能代市で作庭を行う福岡造園のブログです。 日々の仕事や活動等の最新情報を載せていきます。

朝市

2008年05月08日
朝市 0
今朝は朝市。現場に行く前に一つ仕事をしてきました。
その町その町で市が開かれる日は決まっているのですが、今日は8日、8の付く日は森岳(三種町)の市日です。

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市には、旬の野菜や魚、花、服、餅、漬物など、様々な店が並びますが、中にはホルモンやヒヨコを売る店、大判焼きの屋台などもあります。
通りに50軒も店が立ち並ぶ大きな市もあれば、3軒ぐらいしか出ない小さな市もあったりと、各地を回るといろんな市がありますが、客層もまた様々で、財布を忘れた愉快なサザエさんでも走っていそうな、そんなのどかな雰囲気もあります。
買い物が便利になった現代でも市目当てで来るお客さんがいるのは、とてもありがたいことです。
市はいまだに庶民の生活を支えている、親しみやすい場所という感じがしますね。

ところで、なぜ植木屋の私が朝市に出るのかと言うと、実はうちはお祖父さんの代からの種屋で、種苗や園芸が本業なのです。
今でも、人から職業を聞かれた時など、「二ツ井の福岡造園です」と言うよりも、「コマガタのタネヤです(駒形は私の住む集落の地名)。」と言う方が、「あ~、種屋さんね!」となるので(ちょっと複雑)、それだけ「コマガタのタネヤ」が地域の皆さんに親しまれているということだと、ありがたく受け止めております。
中には、うちは造園しかやってないと思われているお客さんもいるのですが、そんな方々でも、「福岡造園ですが。」と言っても「は?」と聞き返されますから、「あ、植木屋ですけど~。」なんて言うと、「あ~。植木屋さんね!」となるので、同じようなものなのかもしれませんね(笑)。

今の造園は、ちょうど私が生まれた頃、庭好きな父親が植木の販売と共に始めたものでした。
これまで父親はこの二つの仕事を両立させてきましたが、種苗と造園は、同じく植物を扱う仕事であるとはいえ、庭づくりはモノづくりの要素も持つので、モノを売る仕事とは感覚的に違います。
そんな中で、週に3日4日はある市に出ながら庭づくりをこなしてきたのですから、本当によく両立できたものだと、わが親のことながら感心します。

では私はどうかというと、植木屋は二足のわらじを履いてできるような甘いものではないという思いがあるのと、それ以前に、不器用で口下手な私には、接客はムリ。
というより、店でお客さんを待っているということができません(笑)。
というわけで職人の私に売り子は無理なので、店には両親が立ち、両親の送迎と設営の手伝いが私の仕事です。

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今日は雨が降らない予報なので、店(単管を組んだ小屋)の屋根にはシートを掛けませんでした。
手伝いが終われば現場に出るので、晴れの日は設営も楽で助かります。
ここは常設会場なので設営も簡単ですが、通りを歩行者天国にして行う市日では、店の小屋材を持ち込まなければならないので、結構大変です。
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写真は二ツ井市の通りですが、ここも市の日には歩行者天国になります。
朝の設営は時間との勝負。ボヤボヤしてると周りに店が立って車が入れなくなります。
そんな会場では私1人では無理なので、若いスタッフにも早起きしてもらいます。
かたずけの時も現場を抜けて行かなければならないので、せっかく植木屋修行に来たのに申し訳ないなぁと思いますが、みな文句も言わず頑張ってくれるのはありがたいことです。

一番申し訳ないのは現場を抜けられてしまうお施主さまなのですが、こればかりはもう、頭を下げるしかありません。
抜ける時間を短くするために、その日の市に近い現場を合わせたり、片付けはお昼休みに行ったりなどで対処していますが、毎回そういうわけにも行かないのが辛いところです。
ご迷惑を掛けているお施主様には本当に申し訳ないのですが、こんな植木屋だと思って、どうかお許し下さい。
その分、現場にいる時はいい仕事しますから。

正直言うと、自分の使える時間の全てを庭に使いたいのですが、現状ではそれが出来ません。
造園に専念できる方々をうらやましく思うこともありますが、限られた時間だからこそ大切に使い、より質の高い仕事をしていこうという思いです。
毎日現場に立っていると、それが当たり前になって日々の仕事に流されてダラダラしがちですが、現場に居る時間が限られてくると、庭にいられることが嬉しくて、とてもありがたい気持ちになれます。
雪国の植木屋は、ただでも冬は庭仕事が出来ませんから、春が恋しくて、庭が恋しくて、雪が融けて足袋を履けた時の嬉しさと来たら、もう言葉では言い表せないほどですが、夏でもそんなありがたい気分を味わえるのは、常に感謝の気持ちを持って仕事するという面では、いいのかもしれません。

「会えない時間が愛育てるのさ~♪(よろしく哀愁)」
とは、郷ひろみさんの歌の歌詞ですが、冬の間も市にいる間もそんな気分で、思うのは、庭のことばかりです(笑)。

というわけで、今日は現場ではアプローチの洗い出しをしていましたが、市の送迎と配達と役所と材料の手配で、10分しか現場にいられませんでした。
庭に会いたい思いが募りますが、「親方が現場にいないと子方が育つのさ~♪」ということで、若い衆、頑張ってください!


さて市では、ジャガイモのシーズンも終わり、店にはこれから野菜苗やサツマイモが並び、店ぞろえがにぎやかになります(植木屋部隊が出動する機会も増えます・・・)。
市には両親の他にも、秋田美人の看板娘が二人立ちます。
美人の笑顔には癒されますよ。
皆さんこぞってお出掛けください(笑)。


参考までに、うちが出店している各町の市日です。
1、11、21日  藤里町藤琴市
3、13、23日  三種町鹿渡市
5、15、25日  能代市二ツ井市、三種町鵜川市
7、17,27日  北秋田市鷹巣市
8、18,28日  三種町森岳市
9、19,29日  北秋田市合川市
10,20,30日 二ツ井市

※市日の販売スタッフ募集中です。
詳細は、ハローワーク能代にお問い合わせの上、二ツ井店までご来店下さい。

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FUKU
Author: FUKU
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