のしろ産業フェア閉幕

フェア最終日、今日の庭の様子です。
上から見るとこんな感じに見えます。

水受けの石。
水は、苔むした石積みの中から滲み出てきます。

今日もたくさんの方々に、庭を見ていただくことができました。
庭の横に座っているのはメンバーですが、暑くて、ほっかむり無しでは居ることができません。
日焼けした私たちを見て、「それは日焼けですか、お酒焼けですか?」という質問もいただきましたが(笑)、そんな私たちに、昨日のブログを見たという方から生ビールの差し入れをいただきました。
ありがとうございます。
これで晴れて、お酒焼けになりました(笑)。

そんな中ですが、今日はこんなお客さんも。

あんまり暑いので、水鉢にジョウロで水を落としていると、子供たちが集まってきました。
迎えに来られたおばあさんに女の子が、「水がきれいだから見ていたの。」
嬉しい一言ですね。
「そんな感性を、いつまでも大切にしてください」と、心の中で思いました。

今回は、会場にギャラリーも併設、様々な庭を楽しんでいただきました。
暑くて大変でしたが、天気が良くなければできない写真展でした。
空の神様に感謝です。
ということで、今回の総括。
今回の作庭では、潮風、真夏、という制約の中で、いかに樹木を使わずに庭をつくるか、ということに挑戦してみました。
木を植えられないということは木が育てないということと捉えて、樹木が育てない高山の源流の雰囲気を表現、下草も使わずに、苔だけで仕上げています。
シンプルということは全てが見えるということで、ごまかしが効かないということ。
これは、つくり手にとっては大変なプレッシャーで、そんな庭を、価値観の異なる不特定多数の方々に見ていただくこともまた、ものすごい緊張感でした。
造園の資格試検には、決められた時間で決められたものをつくるという試検がありますが、それとは逆に、時間や素材、予算、形の自由が与えられた中で、どんな思いで何をつくるか、つくり手の創造力や作庭観が試されるこのような機会はとても貴重です。
こんな緊張感もまた、つくり手としての自分を育ててくれるのではないかと、仕事以外の時間の中で、自分を高めてくれる機会をいただけたことに感謝しています。
2日間の展示でしたが、今回は、構想に1週間、準備に2日、現場での制作に2日掛かりました。
これが少ないのか多いのか、壊すことが前提の庭をなぜつくるのか、誰のためでもない庭をつくるのはなぜ?
これは、イベントの庭をつくる時にいつもつきまとう葛藤ですが、創造者としての修練ということ以外にも、庭づくりは自由なのだということの発信や、そんな庭をつくる植木屋という存在を知ってもらえることが、なによりの幸せであり喜びです。
反省点、課題、いろいろありました。
次回に活かしたいと思います。
最後になりますが、機会を与えて下さった主催の方々とご来場いただいた皆さま、そして、共に汗した仲間、見に来てくれた庭仲間に感謝です。
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