人はなぜ、庭をつくるのか
イベントの庭は解体されるのが運命ですが、思いを持ってつくった庭だけに、壊すとなると淋しいものです。

名残の庭です。
解体前に、万感の思いを込めて、この庭を目に焼き付けました。

解体後、何事もなかったように、元の階段に戻りました。
少しづつ運んできた材料でしたが、6坪ほどの庭をつくるのに、軽トラック6台分はあったでしょうか。
この素材たちはここで終わるのではなく、一木一草ならぬ全ての素材たちが、本当の庭づくりで活かされます。
つくる時と同じように、ひとつひとつの素材を手にしながら、感謝の念を込めてしまいました。
「人はなぜ庭をつくるのか」、と言われた庭匠がおりましたが、人はなぜ、壊すと解っている庭をつくるのか。
生き物を扱う仕事をしていて、なぜ、成長しない、一瞬だけの幻の庭をつくるのか。
なぜ、一銭の金にもならない庭に一生懸命になるのか。
最後はやはり、ここにぶつかります。
伐採された木の供養、自身の修練、つくりたい庭の試作、素材の可能性を探ること、庭の啓蒙、植木屋の存在を知ってもらう機会、そして、庭が大好きだから・・・
答えは様々あるけれど、もしかしたら、違う答えがあるのかもしれない。
この庭を見に来てくれた皆さんが、何かを感じてくれたとしたら、それが答えなのかもしれません。
いつか、この庭づくりで得たことが、ご家族のためにつくる庭に必ず活かされます。
そんな時のために、これからも精進していきます。
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