杜の木漏れ日

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向上心

仕事帰り、昨秋に作らせていただいた庭に寄ってきました。

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作庭後9カ月経ちましたが、下草が石の上にも広がり、異質な素材同士が庭の中で繋がってきました。
石や園路の色も徐々に緑色を帯び、この庭に馴染んできています。

このような庭の成長を感じられることは、つくり手として至上の喜びです。
本当に嬉しく思いました。

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今日はこの庭でもう一つ嬉しいことがありました。
写真は、こちらのお施主さんが剪定されたサクランボですが、今春、私が地元紙に書いた腐りの入りにくい剪定法の記事を参考に剪定されたとのこと。
記事を読むだけでなく、それを実践されていた方がいることを知り、大変嬉しく思いました。

それにしても、切る位置、残す枝、一般の方が、しかも女性の方がこの剪定を行っていることに驚きます。

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この角度。どこまでが幹でどこまでが枝なのか、ちゃんとわかってやっています。

手入れを見れば、手を入れた人の木への愛情や慈しみの深さ、意識の浅深がわかります。
残念ですが、専門であるはずの造園業者が行う街中の街路樹で、このようなことを感じることは非常に少ないのが現実。
このお施主さんの手入れは、そこらへんの造園業者さんたちよりもはるかに上手です。

腐りの入りにくい剪定法については、今春の市長対談でも提案、「意識してやるのとやらないのとでは結果が全く違う」と言いましたが、意識して行うということはこういうことです。

一般の方がここまでの向上心を持って庭の手入れに臨まれていること、本当に素晴らしい。
仕事とあらば、何のためらいもなくブツ切りを行い、お金をもらえればそれでいいと思っている意識の低い造園業者さんたちには、この手入れを見習っていただきたいと思います。
学ぶ意欲を持たず、同じ失敗を何度も繰り返す役所の方々にも、爪の垢を煎じて飲ませてあげたい。

この手入れには愛情がこもっています。
本気で向かうこと、お金のためではなく好きなことのために努力する純粋な向上心の大切さを、この手入れから教えていただきました。
今日は、心のこもった手入れを見て本当に嬉しくなりました。

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