還る

現場近くにある古い土蔵。
朽ちかけた様子に心惹かれ、時々見に行ってました。

当地では竹が自生しないので、小舞は木で組まれています。

土蔵の壁は、身近にある土や砂、砂利、ワラで出来ています。
小砂利の浮き出た感じがなんともいい按配ですね。

先日、現場の様子を見に伺った際に寄ってみると、なんと、蔵の影も形もありません。
あるのはカボチャやジャガイモの畑だけ。
蔵はいったい、どこに消えてしまったんでしょうか?

何の気なしにこの畑の土を見ると、土にはなぜかワラが混じっていました。
ワラは稲ですから、田んぼにワラがあるのは当たり前ですが、畑にワラ?
このあたりの表土は黒土です。
でもこの土は赤土。
!!
この畑はもしかして?
当たり前のことですが、土蔵の土って、土に還るんですね。
こんな姿を見たのは初めてです。
壁の役目を終えた壁土は元の土に還り、そこであらたな命を育んでいました。
自然素材って、本当に土に還るんですね。
先人の暮らしの知恵、当たり前の循環に感動です!