杜の木漏れ日

ARTICLE PAGE

植木屋の誠意と勇気

埼玉県に山口さんという植木屋さんがいます。
素晴らしい技と心を持った庭師さんです。
庭づくりだけではなく、街なかの緑にも目を留められる心優しい方。

そんな山口さんが今回、これまでブツ切りされてきた学校の木に、優しく手を入れてあげたそうです。
仕事を受ける中で相手を説得し、これまでのやり方を変えてもらうということは本当に大変なこと、ものすごい葛藤があったことでしょう。

植木屋は、人と木の間に入って悩んであげることも仕事のうちだと思っていますが、悩むということは苦しいことです。
多くの造園業者はその苦しみから逃げ、逃げていることにすら気付かない人もいることでしょう。

今この仕事をしてお金をもらえればそれでいい。
役所の要望だから。
予算が無いから仕方ない。
そんな言い訳で自分をごまかし、知恵を絞り工夫することから逃げる。
「社会貢献」や「緑を守る」という看板を掲げながら、街路樹剪定士や樹木医の資格を持ちながらも、役所の要望に負け、木をブツ切りする業者の何と多いことか。

木が好きで植木屋になったのなら、その苦しみから逃げてはいけない。
苦しんで苦しんで、植木屋の良心と葛藤したあげくの決断でも、ブツ切りしたら同じこと、そこに残るのはかわいそうな木たちと自分への悔いだけです。
そんな苦しさから逃げず、植木屋の良心と誠意を持って立ち向かわれた山口さんの行動に、心から拍手を送りたいと思います。

思いを強く持ち、誠意と勇気で動けば必ず伝わる。

そんなことを、山口さんのブログを読んであらためて思いました。
素晴らしい記事ですので、皆さんにもご紹介いたします。→「街路樹

Comments 2

紅の葉  

山口さんへ

山口さん、こんばんは。
いい仕事をされましたね。写真で見ても、とても丁寧に手を入れられているのがわかります。
電線の下に大きくなる木を植えるのは本末転倒ですが、すでに木が大きくなってしまっているケースの方が多いように思います。その共生方法がブツ切りではけして無いのと、そのような状況下でも木陰の提供など街路樹の役目は果たせますから、植木屋の側の知恵と工夫で提案していけばいいのだと思います。
今回、立川でお会いしてきた「街路樹葉っぱの詩」の作者、群馬直美さんは、東京中の街路樹を見て葉っぱを描いて回るうち、はじめは大嫌いだった電線と電柱が好きになったそうです(『庭』誌199号「作庭に役立つ本」参照)。電柱や電線は人そのもので、それがあることでかえって街路樹が生き生きとして見えてきたとのこと。
また江戸川区さんでは、木の枝が支障となって電線が切れたことは一度もなく、逆に枝葉が電線を包みこむことで線の揺れを抑えるなど木が電線を守っている面もあるとの話も聞き(高圧線は別)、一概に木と電線の共生が悪いものとはいえないかもしれないというか、人が人の暮らしのために木を植えることが造園なら、狭い都会ではいたしかたない部分もあり、そこで活きるのが我々の技術なのかなとも思っています。
でも出来るなら、これから木を植える時は、伸び伸びと枝を伸ばせるような所に植えてあげたいですね。埼玉県久喜市の街路樹条例はそんな条例でした。
山口さんのような方、きっと日本中にたくさんおられると思います。街の木を直接救えるのは我々植木屋だけ。これからも頑張っていきましょう。

2012/02/12 (Sun) 21:15 | EDIT | REPLY |   

山口です  

先日はいろいろと相談にのって頂き、またご指導ありがとうございました。
おかげ様で一つ、形にすることができました。
一歩づつですが確実に歩んでいきたいと思います。
まずは自分のまわりから!頑張ります!!

2012/02/12 (Sun) 13:11 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply