杜の木漏れ日

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溶岩の庭、完成

3月から着工していた八峰町の庭が完成しました。

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寒風山の溶岩を組んだ、枯流れの庭です。

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ヒバやハイビャクシン、シャクナゲなど高山に生える木々が、山の奥深さを演出してくれます。
植栽のほとんどは既存の物、お施主さんが大切に育てられてきた木や下草です。

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下流になるにつれ、モミジやナツハゼ、ウメモドキなど、里山に自生する木へと変わっていきます。

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1m以上土盛りしたので、かなり大きな、岩のような石も使いました。
大きな石が入ると、庭に安定感が生まれ、迫力が増します。

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庭の途中までは登って行けますが、沢を登るような雰囲気を楽しんでもらえれば嬉しいです。
赤土の部分には、これからお施主さんが苔を張られます。

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庭は、正面から見ると野面積みになっています。

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住宅に面した側は、建物の外壁と合わせてコバ積みに。
石積みのほとんどは、若衆が一人で頑張りました。
凹凸のある溶岩を積むのは難しいのですが、丹念に、丁寧に積むからこそ石に心が入っていきます。

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滝落としには水掘れの石を使っています。
枯れ流れの庭の、唯一の水景です。


石組、石積み、石張りから枯れ流れの小石や小砂利まで、全て同質の溶岩で統一した庭です。
年月とともに苔むしていけば、さらに雰囲気が増してくることでしょう。

これまで、里山風の雑木を使った庭を多く手掛けてきましたが、今回は、どちらかというと深山の趣。
お手持ちの木や下草に合わせて考えた庭ですが、特に低木性のヒバなどは素晴らしく、買った木では出せない雰囲気をつくってくれました。

今年は春からいい経験をすることができました。
機会を与えていただいたお施主さんに感謝です。

Comments 2

紅の葉  

鈴ちゃんへ

鈴ちゃん、いつもコメントありがとうございます。
岩のような石も手で持てるような小石も、採石場にある時は、ただゴロンと転がっているだけの石です。
山のようにある石の中から庭のイメージに合う石を1個1個探し出し、その庭をつくるために選び抜かれた石たちが庭へとやってくる。
そして、採石場のあちこちからバラバラに選ばれた石たちを、昔からそこにあったように、もともとは一つの岩であったかのように自然におさめていく。
石は地球の一部ですから、庭をつくるということは地球をつくるということ。
そしてそこに生命が宿り、庭の中に生態系ができていく。
庭師の仕事の、なんと深いことよ。
なんてことを思いながら、石を組んでいます^^。

「選ばれてある者の恍惚と不安、二つ我にあり」
は、太宰治の本に出てくる言葉だそうですが、この石たちにも、私のような未熟者に選ばれてしまった不安があることでしょう(笑)。
私自身にもまた、この庭をつくるために自分を選んでいただいたことに対する喜びややり甲斐、全てを任せていただけたことに対する責任や緊張があります。
選ばれてある者として、これからもずっと、庭をつくり続けていけたら幸せですね。

作庭後40年経ってもなお、ご家族が作り手の思いを感じてくれてるなんて、庭師冥利に尽きますね。
この庭も、そんなふうに、受け継がれて行く庭になってくれたら嬉しいです。

2012/05/14 (Mon) 21:43 | EDIT | REPLY |   

鈴ちゃん  

実物を拝見したいものです。

本当に大きな石は、見る者に安定感を与えてくれますね。
石の組み合わせなど、なんともいえない味わいがあるものですね。石の合間からの植物も石に映えますね。

先日、TVに苔造りを仕事にする30代の男性がいらっしゃいました。被災された方でしたが、苔造りへの情熱を語っていらっしゃいました。

家の庭も、もう40年にもなりますが、そこに飽きはなく、昔以上にどっしりと存在しているように思います。樹木の組み合わせも面白いと感じます。
造られた庭師さんはもうお亡くなりになりましたが、その方の存在は今なお強く存在しているように思えます。

2012/05/14 (Mon) 00:20 | EDIT | REPLY |   

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