地元紙寄稿 「花・夢・緑の街能代市 」(上)~緑の基本計画への提案~

北羽記事108 北羽紙記事2012108
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今朝の北羽新報「私の意見」に、拙文が掲載されました。
原文と写真を下記に紹介いたします。


「花・夢・緑の街能代市 」(上)-緑の基本計画への提案―

表題は、市立図書館前にある看板の言葉です。ちょうど、能代市が「緑の基本計画」に向けた市民アンケートを実施したことを知り、心に留まりました。全国の先進自治体では、この基本計画を定めてから緑の推進や保全を進めていることから、市のこうした取り組みは大変喜ばしいことです。この機会に、7年間に渡り、街の緑のあり方を観察研究してきたことを活かしていただきたく、次の提案を行います。

1 けやき公園を「景観重要樹木」に指定し、緑の旗印に
国道を曲げてまで残したけやき公園の大木の街路樹は、能代人の緑への思いを象徴する市民の宝。「景観重要樹木」とは、景観行政団体(県と政令市)が景観法に基づき指定するものであるが、鹿児島市などでは広く市民に対象木の募集を行なっている。鹿児島市HPによると、この制度は「地域の個性ある景観づくりの『核』として大切にしていく」ために運用、選定基準として、「道路から容易に見ることができる」、「地域の象徴的な存在。地域の景観を特徴づけ、良好な景観形成に寄与する」、「歴史的、生活文化的な価値が高い」、「地域に親しまれ、愛されている」、「国県市の文化財、または保存樹等でないもの」とある。この要件に沿うものを能代で探すと、けやき公園は見事に合致する。現在、この制度の指定は全国で470件、東北では山形県内の二町3件。けやき公園周辺の樹木が指定されれば、東北では2番目、秋田県では初となる。能代の緑の保全の核として、この制度を導入できないだろうか。
「景観重要樹木」にふさわしい、けやき公園の大木の街路樹 「景観重要樹木」にふさわしい、けやき公園の大木の街路樹

2 市の花「桜」をアピールする取り組み
① 「さくら協定」
能代市は今年、市の花を「桜」と定めた。市内には、学校と公園、街路樹と公園など隣接する緑地の双方に桜が植えられている箇所がある。しかし、隣り合う敷地の管理者が違う場合、越境する枝が無理に切り詰められ、樹勢や景観に悪影響を与えているケースを多く見掛ける。これらの解消として、管理者同士が「さくら協定」を結び、別々の敷地の桜を一つの桜の景観と位置付け、互いの連携の元に、景観や樹勢に配慮した管理を行っていくことはできないか。街歩きの地図にこのさくら協定のポイントを記せば、桜めぐりの楽しさも倍増する。
境界を越えて枝を伸ばし合う、街路樹(左)と公園(右)の桜の木(十和田市官庁街) 境界を越えて枝を伸ばし合う、街路樹(左)と公園(右)の桜の木(十和田市官庁街)

② 桜の適正管理推進
弘前や角館などの桜の名所では、専門の樹木医の指導の元、適正管理を行っている。その元になるのが、剪定による樹木の腐朽を防ぎ、切り口を早期再生させるCODIT理論。「桜切るバカ」と言われるように、桜の木は腐りが入りやすい。この機会に正しい管理法を学び、適正管理の常識化を図りたい。9月市議会答弁では「講習会に職員を派遣した」との実績報告があるが、現場に活かすことが大切。

3 街なかに緑のトンネルを創る 
能代市内には緑陰の道や広場が少ない。市の庁舎整備が実施されるとして、解体されて駐車場になる部分に緑道の機能を持たせ、官庁街の街路樹とけやき公園を緑のトンネルで結ぶことはできないか。市内の街路樹が苦情で切られる中、こうした制約を受けずに樹木の効果を享受できるのは、公共施設が集中する場所以外にない。車を気にせず歩ける本格的な緑道や木陰の広場が市街地に欲しい。家族が庁舎で用事を済ませる間、木陰のベンチで涼めたら嬉しい。
木陰の緑道を思わせる庁舎周辺の空間(東京都有楽町) 木陰の緑道を思わせる庁舎周辺の空間(東京都有楽町


4景観規制と意識啓発

市内の公共木には、幹に看板が巻かれているものが多い。看板を結束する針金等は木の生長と共に幹を締め付け、養水分の通りを圧迫することから樹勢の衰弱を招く。また、樹木は幹でも呼吸し光合成を行うことから、木の健全な生命活動を妨げる。役を終えても外されない樹木支柱なども見苦しく、腐って傾いた支柱は街の荒廃を感じさせ、倒壊すれば車や歩行者にも危険が及ぶ。ゴミ看板は立て札式やゴミ箱に移設されるなどかなりの改善が見られるが、条例化や市広報などで周知を図ることが大切。市民の安全や景観向上、樹木保護、美しい街のPRのためにも、景観規制は必要。釘打ちされた看板には公共物が多い。まずは庁内の意識徹底から始めてほしい。
IMGP3342.jpg 幹に釘打ちされた住所表示 

5 緑の役割を伝え、繋げる 
能代の街路樹は、大火復興と防災、緑陰のために植えられた。それを忘れたからブツ切りが起きた。管理者は、なぜ街に木を植えたのかの「元」を自覚し、市民への周知を積極的に行なわなければならない。


3年前、能代市は街路樹の強剪定を改めました。能代市長に改善を求めたのは二ツ井との合併直前、当時の提案は少数私見と見送られ、市がその必要性を理解したのは4年後のことです。
今回の調査で得られる市民の声には、夢のある意見がたくさんあるはず。少数意見の中にも本質が隠れています。行政には、このアンケートを緑の夢を発掘する場と捉えて、専門性と先見性を持って取り組んでいただきたい。「花・夢・緑の街能代市」。名実共にそんな能代になるよう、市民の力で良くしていきましょう。    
                                      能代市二ツ井町 福岡 徹

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